【論説】基準を満たさないジェネリック医薬品―患者の安全と国家安全保障への脅威

米国におけるジェネリック医薬品の品質問題とその構造的要因・政策対応を論じた論考。

本稿は、ジェネリック医薬品(generic drug)が米国処方の90%以上を占める一方で、その品質が必ずしも均一ではない可能性を指摘している。背景には、ハッチ・ワックスマン法(Hatch–Waxman Act)による価格競争の激化があり、製造拠点の海外移転とコスト削減圧力が品質低下を招いたとされる。

実際に、海外工場の未査察問題や、データ改ざん・不衛生環境・原薬保管不備などの重大な違反が報告されており、医薬品不足の60%以上が品質問題に起因するとされる。また、ニトロソアミン混入や有害事象の増加など、患者への影響も示唆されている。

さらに、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は製品そのものの定期試験を行っておらず、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)のようなリスクベース監視体制と比較して限界があると指摘される。

これに対し、著者は①品質問題の認識、②第三者試験の活用、③価格ではなく価値に基づく調達、④品質情報の透明化、⑤国内製造基盤の強化といった政策対応を提案している。

総じて、価格競争中心の市場構造が品質リスクと供給不安を生み出しており、品質を軸とした市場設計への転換が必要であると結論づけている。

 

 

ニュースソース

Kevin Schulman (Division of Hospital Medicine, School of Medicine, Stanford University, Stanford, CA), et al. : Substandard Generic Drugs – Threats to Patient Safety and National Security.
N Engl J Med. 2026 Mar 18. doi: 10.1056/NEJMp2518256. Online ahead of print.
DOI: 10.1056/NEJMp2518256(オープンアクセス)

2026年3月24日
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