Reguratoly Focus、2026年2月9日記事。欧州医薬品庁(EMA)が、ニトロソアミン不純物問題を踏まえ、有効成分(AS)製造業者すべてに適用される形で EU GMP(EudraLex)Annex 15 の義務化拡張を提案したとする。
欧州では近年、サルタン系医薬品の製造過程で発生したニトロソアミン不純物が発がんリスクと関連する可能性が指摘され、大きな規制課題となってきた。これを受けて欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)は、GMP査察官作業部会(GMP Inspectors Working Group:IWG)の支援のもと、EU GMPを収載するEudraLex Volume 4のAnnex 15(適格性評価およびバリデーション)を拡張するコンセプトペーパーを公表した。
今回の提案の核心は、これまで主に製剤に焦点が当たっていたAnnex 15の要求事項を、化学・バイオ由来のすべての有効成分(Active Substance:AS)製造業者に対して「義務」とする点にある。背景には、2020年にEMAとHeads of Medicines Agencies:HMA)が共同で公表した報告書で、有効成分メーカーが開発段階におけるプロセス理解・製品理解を十分に確立できておらず、不純物混入を予防できなかったと指摘されたことがある。
改訂案では、バリデーション・マスターファイル、適格性評価およびバリデーション方針、変更管理(change control)への遵守がASメーカーに明確に求められる。また、外部委託先(第三者請負業者)に対する管理責任を強化し、アウトソース業務であってもASメーカー自身が十分な統制を行うことが求められる。さらに、受入基準を満たさなかった場合の調査義務や、ユーザー要求仕様(User Requirements Specifications)およびFAT/SAT(Factory / Site Acceptance Testing)概念のAS製造への拡張も盛り込まれている。
EMAはあわせて、堅牢なプロセス開発の重要性、同時バリデーション(concurrent validation)に対する考え方の明確化、原材料・溶媒回収工程を含むプロセスバリデーション、重要品質特性(Critical Quality Attributes)に影響する変数への着目、および継続的プロセス検証(continuous process verification)とハイブリッドアプローチの活用を強調している。加えて、定期的レビュー(periodic review)の重要性も明示された。
輸送段階についても、品質リスクマネジメントの観点から、International Council for Harmonisation(ICH)のICH Q9(R1)に基づくEMAの期待事項をより明確にする方針が示されている。
EMAは、このコンセプトペーパーを年内に採択する予定としており、4月9日までパブリックコメントを募集している。本提案は、ニトロソアミン問題を契機として、有効成分製造段階における知識管理・バリデーション・変更管理を制度的に底上げする動きと位置づけられる。
(AS製造と輸送についてであり、製剤化は含まれない。
近年、ニトロソアミン問題での医薬品不足が問題となっており、医薬品不足関連情報に分類した。)
ニュースソース
Reguratoly Focus: EMA proposes GMP update to EudraLex to address nitrosamine impurities.
https://www.raps.org/news-and-articles/news-articles/2026/2/ema-proposes-gmp-update-to-eudralex-to-address-nit?utm_campaign=regulatory_focus&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-9t6zUVqJNopnP9iErfewk-tgVDqyElC217qBQ1-zrQR3Z5pAiqf_W3mceLbQAdt_KtaW1fVAnYUTgUbdkWu-5OArzlnb3xsZ1xT7lmfCMgjdcUrhM&_hsmi=402813244&utm_content=402813244&utm_source=hs_email