【論文】医薬品不足後のプライマリケア医における治療変更

JAMA Netw Open、2026年1月7日公開記事。

米国では医薬品不足が常態化しており、一次診療医の約9割が直近6か月で不足を経験している。

調査では、患者の約2割で治療変更や健康被害などの影響が生じていた。影響が大きかったのは、内分泌薬、ADHD治療薬、感染症薬、呼吸器薬、鎮痛薬であった。多くの患者が薬の中止、病状悪化、代替治療への切替えを余儀なくされ、海外や調剤薬局に頼る例もあった。医師の87%が医療の質が低下したと感じ、ほとんどが標準治療から別の薬へ変更して対応していた。

代替薬の選択では有効性や副作用、自己負担、事前承認など多くの要素を考慮する必要があった。約4割の医師は「代替薬が存在しない」ことを懸念し、調剤ミスのリスクも感じていた。

不足情報は政府や電子カルテよりも、患者や薬局から知らされることが多かった。その結果、事務作業、残業、フラストレーション、燃え尽き症候群が広がっていた。

この研究は、医薬品不足が患者の安全だけでなく医師の業務と医療制度全体を深刻に傷つけていることを示している。

 

ニュースソース

Jennie B. Jarrett (American Medical Association, Chicago), et al. : Treatment Modifications After Drug Shortages Among Primary Care Physicians.
JAMA Netw Open, Published Online: January 7, 2026, 2026;9;(1):e2552802. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.52802 (オープンアクセス)

2026年1月9日
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