米国政府立法府に属する独立委員会である米中経済安全保障検討委員会(United States–China Economic and Security Review Commission :USCC)は、2025年11月、「2025年議会への年次報告書2025 Annual Report to Congress」を公表した。
今年のトピックには、ロシア・イラン・北朝鮮との中国の修正主義的野心、中国と東南アジア・太平洋諸島、北京が製造業とイノベーションのエンジンを構築した方法、宇宙支配を目指す中国の野心、チャイナショック2.0、 北京によるサプライチェーンの武器化;中国の電化推進;そして2025年の台湾、香港、経済、貿易、安全保障、政治、外交情勢の動向を検証している。
「第9章:中国に縛られる:北京によるサプライチェーンの武器化」において医薬品有効成分について以下のように記述されている。
- 中国は医薬品原薬(API)やその他の重要原料(KSM)の供給を支配している。これらは全て米国の医薬品サプライチェーンにとって不可欠だ。もし北京がこれらの原料への米国のアクセスを積極的に制限すれば、米国の医療安全保障、広範な経済、そして軍事態勢に壊滅的な結果をもたらす可能性がある。
- サプライチェーンの脆弱性を解消するには数年を要するため、米国は直ちに、中国が現在影響力を行使している分野と、将来的に北京の影響力が拡大する可能性のある分野を特定する、より効果的なリスクマッピングツールを開発することが極めて重要だ。こうした重大な依存関係を解消し、将来的に回避するためには、米国はサプライチェーンのリスク軽減に向けた長期的戦略を策定し、これを実行に移す必要がある。これには同盟国やパートナーとの緊密な協力が不可欠であり、より高い安全性と回復力を実現するための条件を整えることが求められる。
ニュースソース
U.S.-China Economic AND Security Review Commission: 2025 Annual Report to Congress.
https://www.uscc.gov/sites/default/files/2025-11/2025_Executive_Summary.pdf
(本記事作成においては、Executive Summaryを参照した。
2025年11月20日