ジェネンテックは、米国東海岸に新たな製造施設を建設―注射薬不足対応への効果はあるか?

BioProcess International、2025年8月30日記事。ジェネンテックは、ノースカロライナ州のホリースプリングスHolly Springsに新たな製造施設の建設に着工したとのこと。この施設は、減量治療をターゲットとした代謝性医薬品などの生産と製造に重点を置く予定とされる。最初の投資は7億ドルとされるが、これは、ロシュのトランプ政権対策とされる500億ドルの投資の一環である。さらに、体重減少薬については供給が追いつかず、供給不足に陥るリスクが高い。

ただし、記事を報じたBioProcess Internationalは、「しかし、米国薬局方2024年医薬品不足年次報告書のデータが示すように、無菌注射剤の不足は製造上の課題ではなく、ジェネリック医薬品製造に対するインセンティブ不足と有利な利益率の欠如が原因であるため、これらの施策は無駄に終わる可能性がある。」とも報じている。

(坂巻コメント:肥満治療薬だけでなく、バイオ医薬品、バイオシミラー上市拡大により、世界的なバイオ医薬品供給不足のリスクが高まっている。日本では、すでにバイオシミラーロスに陥っているが、今後、新薬のバイオ医薬品も供給力不足による日本での上市遅れが拡大する可能性がある。)

 

ニュースソース

BioProcess International: Genentech break ground on $700m East Coast facility for manufacturing metabolic medicines.(by Millie Hoe, August 30, 2025)
https://www.bioprocessintl.com/facilities-capacity/genentech-break-ground-on-700m-east-coast-facility-for-manufacturing-metabolic-medicines?utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-8L6nOW2W0o16om4zvLMqvI-rZmJEMkr6wj55tektSgCOz1aPf4F6dUOXbBfKdNmoB5afMiyZbQ6khBdwZ7hO4F6Q-jFSuD3ON0z2_XwcNXcObWsrU&_hsmi=379019232&utm_content=379019232&utm_source=hs_email

2025年9月5日
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