英国上院・公共サービス特別委員会(The House of Lords Public Services Select Committee)は、医薬品供給問題の予測と予防の有効性および将来のレジリエンスに関する調査を開始した。2025年9月23日までのウェブ経由での書面意見提出を公募している。
英国(イングランド)での医薬品不足が増加し、患者リスクと薬局の負担が拡大している。サプライチェーンは全球化・複雑化しており、自然災害・地政学的紛争・感染症流行等が供給の安全性と強靭性に脅威となっているため、政府・NHS・薬局の能動的な予測・予防策が重要であることが調査の背景。
調査の焦点は、一次・二次医療の双方での現行戦略の有効性と将来耐性であり、在庫監視、供給変動の予兆把握、調達手法、供給不足予防のための方策、サプライチェーン内の連携状況、実施上の障壁を把握することである。併せて、予測・予防能力を高める革新的解決策、とくにイングランドの国内製造能力の現状・潜在力と、それが供給問題予防に有効かの見解を求めている。
調査項目は以下の通り。
医薬品サプライチェーン問題の原因
- 英国における医薬品サプライチェーン問題の原因は何か?
a) 医薬品不足が発生した場合、患者や現場のサービスにはどのような影響があるか?また、発生した場合の影響はどの程度か? - 英国の医薬品サプライチェーンが直面している現在および将来起こりうる脅威とは何か?
a) 全体として、英国のサプライチェーンはこれらのさまざまな脅威に対してどの程度回復力があるか?
サプライチェーン・モニタリング
- 政府、一次医療機関、二次医療機関は、サプライチェーンの様々な部分にわたって在庫レベルをどのように監視しているか、また、この監視はどの程度効果的か。
a) 在庫水準は、サプライチェーンの異なる部分間で効果的かつタイムリーに伝達されているか。
b) 在庫モニタリングは、サプライチェーンのある地点で、他の地点よりも効果的か? - 政府は、サプライ・チェーンの問題を事前にどの程度予測することができるか。
a) サプライイチェーンの問題を予測する上で、どのような障壁があるか?
b) 不足が予測/検出された場合、その影響を緩和するためにどのような戦略があるか? - 医薬品サプライチェーンの監視と潜在的なサプライチェーン問題の予測はどのように改善されるか?
a) こうしたプロセスを補強するために、テクノロジーやAIはどの程度利用できるか?
調達戦略
- プライマリ・ケアとセカンダリ・ケアにおける調達方針は、サプライチェーンの強靭性にどのような影響を与え、どのように改善できるか。
- NHSやDHSCを含む英国は、医薬品調達のために国際的なパートナーとどの程度効果的に連携しているか、また、国際的な連携はサプライチェーンの強靭性をどの程度向上させることができるか。
英国医薬品市場
- 研究、製造、供給を含む医薬品サプライチェーンの全段階において、英国はどの程度投資にとって魅力的な市場か。
a) 英国は製薬業界の研究開発をどの程度効果的に促進しているか?
b) 英国の製薬産業への投資を改善するために、政府はどのような政策や戦略を実施できるか? - 医薬品を製造・供給するために、サプライチェーンの労働力はどの程度適切に訓練され、供給されているか。
a) サプライチェーン問題の管理を改善するために、従業員は新しい戦略をどの程度効果的に受け入れることができるか? - 医薬品とその成分(例:原薬、賦形剤、主要成分)を製造する英国の国内製造能力の現状は?
a) 薬の種類によって違いはあるか?
b) 供給問題や需要の急増に直面した場合、医薬品の生産を拡大する能力はどの程度か? - 英国政府は、英国のライフサイエンス製造能力の向上とサプライチェーンの強靭性強化のために、5億2,000万ポンドを拠出することを約束した。英国は医薬品のサプライチェーンをどこまで英国内に「再保有」できるのか?
a) 原薬などの医薬品成分の製造を含め、製造工程の全段階をリショア化することはどの程度可能か?
ニュースソース
UK Parliament: Call for Evidence
https://committees.parliament.uk/call-for-evidence/3740/
2025年8月10日