現在、日本国内でオセルタミビルの「限定出荷」が続いている。2024年1月8日に沢井製薬がカプセル、ドライシロップ、9日には先発の中外製薬もカプセル、ドライシロップ、10日に東和薬品も同様に限定出荷を発表している。
本ホームページで海外の不足状況を確認した。その結果、モニタリング国(米国、カナダ、オーストラリア、ドイツ、フランス、英国)において、規制当局から不足の報告は確認できていない。オーストラリアでも供給情報にオセルタミビルが含まれた期間があるが(11月25日~12月01日)、「Resolved」となっており、現在の不足ではない。
規制当局の情報は、企業からの報告に基づくものであるが、米国では医療現場からの報告として米国医療システム薬剤師会(American Society of Health-System Pharmacist: ASHP)の情報もある。ASHPのホームページによればAlvogen社の製品が、理由不明であるが、不足しており、他社製品は入手可能(一部、契約顧客のみ)のようである。
https://www.ashp.org/drug-shortages/current-shortages/drug-shortage-detail.aspx?id=881&loginreturnUrl=SSOCheckOnly
以上より、オセルタミビル不足は、日本特有の状況と言える。
(推測も含まれるが、海外とは異なる日本特有のインフルエンザの急拡大、原薬の海外依存、先発企業における日本割当量の制約、過剰な処方?)
注:本ホームページでは、キーワードによる検索ができるようになっており、検索キーワードに「oseltamivir」と入力することで、oseltamivirの過去の不足を調べることができます。