【論文】日本の医薬品不足管理のための産業界向けガイドライン案

Therapeutic Innovation & Regulatory Science誌に厚労省OBの医薬品不足管理のための産業界向けガイドライン案が掲載された。厚労科研費で作成されたもの。以下は著者要旨の翻訳。

世界的な医薬品不足の深刻化は、国の医療制度に大きな課題をもたらし、必要不可欠な治療法へのアクセスに影響を及ぼしている。日本では、先発医薬品からジェネリック医薬品への大規模な切り替えキャンペーンや、開発・製造管理が不十分な製造販売業者によって、この問題はさらに悪化している。米国食品医薬品局や欧州医薬品庁などの規制機関は、継続的な医薬品供給の確保と製造リスクの軽減を目的としたガイドラインを策定している。しかし、日本の取り組みは主に業界の自主的なガイドラインに依存しており、他の先進国のような強固な規制の枠組みを欠いている。そこで本研究では、日本の製薬業界が医薬品不足を効果的に管理するためのガイドライン案を提案する。日本政府は、本研究で開発された提案に基づき、製薬企業が効果的に安定供給を維持できるような枠組みシステムを確立する必要がある。

(コメント:厚労科研で実施した調査研究に行政官も共著者となって論文化することは極めて重要である。また、英文論文で海外に情報発信することも意義あるが、日本独自の医薬品不足の原因分析が十分ではなく、その結果、目指すべき安定供給の方向性も不明確。結果的に、オリジナリティに乏しい内容。)

ニュースソース

Hiroaki Mamiya1 · Ken-ichi Izutsu1 · Daichi Mitani2:Draft Guideline for Industry to Manage Drug Shortages in Japan. Therapeutic Innovation & Regulatory Science, https://doi.org/10.1007/s43441-024-00678-7

  1. Department of Pharmaceutical Sciences, School of Pharmacy at Narita, International University of Health and Welfare
  2. Policy Planning Division for Pharmaceutical Industry Promotion and Medical Information Management, Labour and Welfare, Health Policy Bureau, Ministry of Health,

 

キーワード
#供給不足
#ガイドライン

2024年7月31日
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