【論説】費用はいくらか?-医薬品のコストと価値

医薬品価格と医療技術評価(Health Technology Assessment:HTA)の関係と、その価値評価の限界を論じた論考である。

医薬品価格は本来、患者および社会にもたらす価値と整合すべきであるが、政府による価格介入や市場構造により、そのバランスが歪んでいると指摘する。HTAはエビデンスに基づく意思決定を支える枠組みとして重要であるが、評価対象が限定的である場合、医薬品の価値を過小評価し、結果としてアクセスや将来のイノベーションに悪影響を及ぼす可能性がある。

また、Health Economics Methods Advisory(HEMA)による報告は、価値評価の拡張を掲げつつも、実際には従来のHTA手法を強化する内容となっており、価値評価と価格決定の混同という問題を内包しているとされる。

さらに、HTAは支払者(buyer)の立場から価格抑制インセンティブを持つ一方、製薬企業(seller)は価値を高く評価する傾向にあり、両者のインセンティブの対立が構造的に存在する。

したがって、価値評価は単一の解ではなく意思決定支援の「ツール」として位置づけるべきであり、患者・家族・社会への広範な影響を含めた包括的評価と、価値と価格の明確な分離が求められる。

 

ニュースソース

Jonathan D. Campbell: Contributor: How Much? Addressing Medicines’ Cost and Value.
https://www.ajmc.com/view/contributor-how-much-addressing-medicines-cost-and-value

 

2026年3月24日
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