ロシュはNVIDIAと提携し、「AIファクトリー」を立ち上げ

ロシュF. Hoffmann-La Roche LtdおよびNVIDIAは、2026年3月16日、新薬および診断ソリューションの開発を加速させるため「NVIDIA AIファクトリー」を立ち上げたことを発表した1,2)。

ロシュの発表では、

  • 2,176基のNVIDIA Blackwell GPUを追加したことで、ロシュは現在、合計3,500基以上のGPUを擁する、製薬業界で最大規模のハイブリッドクラウドAIファクトリーを運用している、
  • この新しい計算インフラは、AIを活用して医療組織を加速させるというロシュのビジョンを支えるもの、
  • NVIDIAのAIファクトリーは、発見の加速、臨床試験の効率化、そして大規模なデータ分析による知見の獲得を支援し、ひいてはイノベーションの推進と医療成果の向上に貢献する、

としている。

 

💬:かつてバイオ医薬品開発においてバイオリアクターの大きさがボトルネックという神話があったが(厚労省や経産省は、いまだに信じているようだが)、今後はGPU(Graphics Processing Unit)の計算資源の規模が、バイオ医薬品開発の競争力を左右する中核的要素となると考えられる。GPUへの投資額はバイオリアクターとは比較にならないほど高額となる可能性があり、この点においても日本企業の立ち遅れは深刻である。Eli Lillyは約1,000基(正確には1,016基)規模のGPUを備えたAI専用スーパーコンピュータを運用している3)。
なお、日本において医薬品開発におけるAI投資が十分に進展していない背景としては、投資(リスク)に対する意思決定力の不足、AI人材の不足、データ基盤の脆弱性、電力供給制約などがあると考えられる。

 

ニュースソース

  1. Hoffmann-La Roche Ltd: Roche launches NVIDIA AI factory to accelerate the development of new therapeutics and diagnostics solutions.
    https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2026-03-16
  2. NVIDIA: Roche Scales NVIDIA AI Factories Globally to Accelerate Drug Discovery, Diagnostic Solutions and Manufacturing Breakthroughs.
    https://blogs.nvidia.com/blog/roche-ai-factories-omniverse/
  3. Eli Lilly and Company: Our new supercomputer could change the future of medicine (Feb 27, 2026)
    https://www.lilly.com/news/stories/new-supercomputer-could-change-future-medicine?utm_source=chatgpt.com

 

2026年3月22日
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