BioProcess International、2026年3月12日記事。バイオ医薬産業で生成AIの導入が急速に進み、研究開発、製造、規制対応など多くの業務プロセスを変革しつつあるとする。
米国サンディエゴで開催されたBioProcess International West(BPI West)のパネルでは、生成AIの急速な進歩により、バイオ医薬企業がAIの全社導入を進めていることが指摘された。企業はAIツールの導入だけでなく、新入社員、人事担当者、遠隔勤務者など全ての従業員にAI教育を行う必要があるとされ、採用においてもAIを日常業務で使える人材が求められつつある。
Johnson & JohnsonのIrina Ramos氏は、自社が2026年までにAIトレーニングを大規模に実施する目標を掲げていると説明した。またSanofiでは、AIを専門家だけでなく現場の従業員が利用できるよう、フロントエンドインターフェースとエージェント型生成AIツール(agentic AI)の導入を検討している。
AIの具体的な活用例としては、品質管理やリスク検出などが挙げられた。Takeda Pharmaceuticalsでは、規制当局との過去の質疑応答をデータベース化し、大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)と連携させることで、当局からの質問への対応を迅速化している。これにより、承認審査の効率化や新製品開発の戦略立案にも役立っているという。
また、AIは企業内部の情報共有の改善にも役立つ可能性がある。Global Biotech ExpertsのNadine Ritter氏は、企業内で規制関連情報が部門間で共有されないことが多く、結果として米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が同じ説明を何度も行う状況が生まれていると指摘した。AIはこうした情報共有の問題を改善し、企業と規制当局のコミュニケーションを円滑にする可能性がある。
一方で、新技術導入には現場の理解が不可欠である。製造現場では「失敗なく迅速に製造バッチを出荷すること」が最優先であり、その課題解決につながらないAI導入は受け入れられない可能性がある。したがってAI導入を成功させるには、現場オペレーターのニーズに沿った形で技術を設計することが重要である。
ニュースソース
BioProcess International: Not just machine learning: Dissecting the value of generative AI in biotech. (Josh Abbott,Editor, March 12, 2026): Not just machine learning: Dissecting the value of generative AI in biotech.
https://www.bioprocessintl.com/facilities-capacity/not-just-machine-learning-dissecting-the-value-of-generative-ai-in-biotech?utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-8-j6Um63Y753XBybGp2Wirso3846uvIoUj763-upzBo6nzNJP90yjNdLPsAVxG8-ip02k_cAp788yVql7Cvsu8k0hiDfwtfYKXfyN3oBSo43HFXUk&_hsmi=408508678&utm_content=408508678&utm_source=hs_email