大手製薬企業による抗生物質の開発が大幅に減少

STAT、2026年3月10日記事。大手製薬企業による抗菌薬開発パイプラインが過去5年間で35%減少し、薬剤耐性(AMR)対策に対する深刻な懸念が高まっているとする。

非営利研究機関医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)の分析によると、大手製薬企業が開発中の抗菌薬プロジェクトは92件から60件へと35%減少した。抗菌薬は短期間使用されることが多く収益性が低いため、多くの製薬企業が研究開発から撤退してきたことが背景にある。

さらに、世界保健機関(World Health Organization:WHO)が優先病原体として指定する感染症を対象とする39件の抗菌薬パイプラインのうち、5歳未満の小児向けに開発されているものは5件(13%)に過ぎない。これらはすべて成人用としては承認済みであり、小児適応取得には長い時間がかかっている。

地域格差も顕著である。調査対象となったサハラ以南アフリカ17カ国では、小児用抗菌薬製剤を登録している企業は存在しなかった。企業は同地域で他の医薬品を登録していることから、アクセス格差が明らかになった。

抗菌薬耐性(antimicrobial resistance:AMR)は現在、世界で年間100万人以上の死亡の原因となっており、対策が強化されなければ2050年までに3900万人の死亡が関連すると推計されている。米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)によれば、米国だけでも毎年280万件以上の耐性菌感染が発生している。

一方でいくつかの前向きな動きもあるが、抗菌薬開発の多くは中小企業が担っており、大手企業の撤退が続けば供給不足が深刻化する可能性があると専門家は警告している。

 

ニュースソース

STAT: Large drugmakers are developing fewer antibiotics, analysis finds. (By Ed Silverman, March 10, 2026).
https://www.statnews.com/2026/03/10/drugmakers-develop-fewer-antibiotics-antimicrobials/?utm_campaign=the_readout&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz–JLPKIto5OtldGd9-v2QPAsqn6R21rYx5Ubkm5NZLiARqGeRyMnUtBco6R01azOfPHUsiV9yPXSLenOA_EYZL2Xg7eTpGiOMRiQnzDdp7eXfXD3R0&_hsmi=407930127&utm_content=407930127&utm_source=hs_email

2026年3月11日
このページの先頭へ戻る