【論文】医薬品開発における未充足医療ニーズへの対応:規制および臨床開発戦略への評価と示唆

医薬品開発における未充足医療ニーズの定義と運用が、規制当局・HTA・企業・患者などの間でどのように異なり、それが開発戦略やアクセスに影響するかを分析した研究。

本研究は、医薬品開発における未充足医療ニーズ(Unmet Medical Need:UMN)の定義と適用の実態を、欧州の規制・HTA・産業・臨床・患者関係者の視点から分析することを目的として実施された。研究では、これらのステークホルダー20名に対する半構造化インタビュー(semi-structured interviews)を行い、テーマ別分析によってUMNの理解や運用上の課題を整理した。

その結果、UMNは単に治療が存在しない状況だけでなく、既存治療の効果不足、副作用、患者の生活への影響などを含む広い概念として理解されていた。しかし、臨床医や患者は生活の質や日常機能への影響を重視する一方、規制当局や医療技術評価(Health Technology Assessment:HTA)機関は測定可能な臨床効果や比較効果を重視するなど、評価の重点は立場によって異なっていた。

また、UMNの解釈の違いは医薬品開発戦略にも影響し、規制承認と償還評価の要求の不一致により承認とアクセスのギャップ(approval–access gap)が生じる場合があることが指摘された。さらに、患者意見や実世界エビデンス(Real-World Evidence:RWE)はUMNの理解に重要であるが、開発初期段階で十分活用されていないことも課題として示された。

研究は、UMNを開発初期から体系的に評価し、規制当局・HTA・患者などのステークホルダーとの早期対話を通じて定義と期待を調整することが、医薬品開発の予見可能性と患者アクセスの改善につながると結論づけている。

 

 

ニュースソース

Carla Domingo-Esteban (Department of Pharmacy, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, 2100 Copenhagen, Denmark): Addressing Unmet Medical Needs in Drug Development: Assessment and Implications for Regulatory and Clinical Development Strategies.
J. Mark. Access Health Policy2026, 14(1), 15;https://doi.org/10.3390/jmahp14010015
This article belongs to the Collection European Health Technology Assessment (EU HTA)(オープンアクセス)

2026年3月10日
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