【論文】日本における関節リウマチ治療におけるバイオシミラー使用に対する診療報酬加算の影響

日本の診療報酬加算が、関節リウマチ患者におけるエタネルセプトおよびインフリキシマブのバイオシミラー使用に与えた影響を検証した研究。国内研究。

研究は、診療報酬加算がバイオシミラーの使用に与える影響を評価することを目的として、JMDCレセプトデータベースを用いた分析を行った。対象は関節リウマチ患者で、先行品バイオ医薬品またはそのバイオシミラーであるエタネルセプトおよびインフリキシマブを処方された患者を含めた。分析には中断時系列分析(Interrupted Time Series:ITS)が用いられ、主要評価項目は先行品とバイオシミラーの合計使用量に占めるバイオシミラーの割合とされた。

その結果、インフリキシマブでは政策導入による使用割合の即時的変化は有意ではなく(0.14%)、月次トレンドの増加も統計学的には有意ではなかった。一方、エタネルセプトでは政策導入直後に使用割合が13.48%増加する有意なレベル変化が認められたが、その後のトレンドは月あたり−1.09%と有意に減少した。

以上より、日本の償還インセンティブ政策はエタネルセプト・バイオシミラーの使用を短期的には増加させたものの、インフリキシマブでは影響が限定的であった。これらの結果は、バイオシミラー普及には単なる財政的インセンティブだけでは十分ではなく、薬剤特性や医療提供体制などの要因を考慮した政策設計が必要であることを示唆している。

💬:2023年までのデータを用いていることから、診療報酬については、2022年度の初期導入加算の影響を検討していると思われる。エタネルセプトは院外処方箋でも使えるが、インフリキシマブは院内のみであり、検討方法として妥当なのか?NDBオープンデータでの2023年までのエタネルセプトシェアは確かに微増だが、診療報酬の影響と言えるか疑問。著者は元厚労省技官なので、バイアスの入った研究といえるか。また、加算より薬価差益の方が病院経営にとってメリットがあると読める記述もあるが、元官僚の論文としてどのようなものか。

 

ニュースソース

Hiroaki Mamiya (College of Pharmaceutical Sciences, Ritsumeikan University), et al. : Financial reimbursement incentives in the use of biosimilars for rheumatoid arthritis in Japan.
J Pharm Policy Pract. 2026 Feb 25;19(1):2633832. doi: 10.1080/20523211.2026.2633832. eCollection 2026. (オープンアクセス)

 

2026年3月10日
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