Medicines for Europe解説:医薬品規制の変革

Generics Bulletin、2026年3月5日記事。EUで約20年ぶりとなる医薬品規制改正が2026年に発効予定となり、ジェネリック・バイオシミラー業界が今後の制度運用や供給政策に大きな関心を寄せていることを報じたもの。

EUでは現在、約20年ぶりとなるEU医薬品法改正(EU Pharmaceutical Legislation Revision)が最終段階にあり、欧州委員会(European Commission)によれば2026年第2四半期に正式採択が始まり、2026年夏に施行、全面適用は2028年夏になる見込みである。規制サンドボックスや抗菌薬インセンティブなど一部制度はそれ以前に適用される予定である。

しかし、実際の制度運用は今後策定される委任法やガイドラインに依存するため、業界には多くの不確実性が残っている。Medicines for Europeは、制度の細かな解釈や実務運用が企業の規制負担を大きく左右する可能性があると指摘し、今後2年間が極めて重要な移行期間になるとしている。

ジェネリック・バイオシミラー業界が特に問題視しているのは、オーファンドラッグ市場での比較試験用の参照医薬品へのアクセスである。革新企業が製品供給を制限することで比較試験が困難になるケースがあり、業界は海外で調達した参照医薬品(foreign comparator)の使用を認める柔軟な解釈を求めている。

同時にEUでは医薬品供給問題に対応するための重要医薬品法(Critical Medicines Act:CMA)の議論も進んでいる。業界はEU議会案を支持する一方、ドイツやフランスが導入している備蓄義務は供給の歪みや廃棄増加を招く可能性があるとして懸念を示している。またEUの中国依存(特にAPI)の問題については、域内生産拡大には公的支援が不可欠であると指摘している。

さらに、EUが検討中のバイオテック法(Biotech Act)ではバイオシミラーの価値が明確に認識され、臨床試験要件の合理化などが議論されている。業界は、EU域内で製造されるバイオ医薬品への投資支援や、バイオシミラー上市後にHTAによる治療アクセス制限を緩和する制度の導入を求めている。

全体として、EUの医薬品政策は「革命」ではなく「進化」と位置付けられているが、今後のガイドライン策定と政策解釈がジェネリック・バイオシミラー市場の発展と医薬品アクセスに大きく影響するとみられている。

 

ニュースソース

Generics Bulletin: Breaking Down The Pharmaceutical Regulatory (R)evolution With Medicines For Europe.
https://insights.citeline.com/generics-bulletin/conferences/medicines-for-europe/breaking-down-the-pharmaceutical-regulatory-revolution-with-medicines-for-europe-56EC7UOFXJGY7DIRBE45ZCIEGE/?utm_campaign=SPARC%20-%20Generics%20Bulletin%20-%20Daily&utm_source=Eloqua&utm_medium=Email&utm_content=SPARC%20-%20Generics%20Bulletin%20-%20Daily%20-%20FREE&utm_campaignID=&elqcst=272&elqcsid=125

2026年3月7日
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