米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が2025年10月に示したバイオシミラーの第Ⅲ相比較有効性試験免除方針が、開発コスト・期間・経済性に与える影響を定量的に評価した研究。特に、モノクローナル抗体バイオシミラーにおける投資採算性の改善効果を示したとする。
研究は、分析的同等性および薬物動態(Pharmacokinetics:PK)の同等性が示された場合に、第Ⅲ相比較有効性試験(Comparative Efficacy Study:CES)を免除するという米国食品医薬品局(FDA)の新ガイダンスを前提に、従来型開発と簡素化開発の経済性を比較した。
ネット現在価値(Net Present Value:NPV)分析では、第Ⅲ相試験に要する費用(約2,000万~2,800万米ドル)および1~3年の開発期間をモデルに組み込んだ。高・中・低の複雑性を持つ3種類のモノクローナル抗体バイオシミラー開発プログラムを対象に評価が行われた。
その結果、第Ⅲ相試験免除により、1プログラムあたり平均約2,500万米ドルのコスト削減(約18%減)が可能となった。また、開発期間は平均1.5年短縮(約21%減)された。これにより、リスク調整後NPVは約2,500万米ドル(約29%)改善した。加えて、事業成立に必要な最低ピーク売上高は3億米ドルから2億5,000万米ドルへと引き下げられた。
こうした経済的メリットは、分析的データの十分性、FDAによる免除承認、製品の適切な選別(Tier 1/2/3分類)を前提条件とする。実際の効果検証には、2026~2027年以降の承認実績、コスト削減の実現度、開発期間短縮の程度に関する継続的なモニタリングが不可欠である。
(💬:抗体医薬バイオシミラー開発コストに関する資料としても有用)
ニュースソース
Ranjit Ranbhor (Business Development, Portfolio and Patents, Odin Pharmaceuticals LLC, Somerset, NJ), et al. : Net Present Value Impact of FDA’s Phase 3 Waivers on Monoclonal Antibody Biosimilar Development.
Biologics. 2026 Feb 10:20:581013. doi: 10.2147/BTT.S581013. eCollection 2026.
DOI: 10.2147/BTT.S581013 (オープンアクセス)