米国の製薬業界に近い研究組織全米医薬品評議会(National Pharmaceutical Council:NPC)は、2026年2月、国際参照価格設定に関し、3つのファクトシートを公表した。
義務的な国際参照価格設定が、定められた基準を満たさない国の価格をどのように利用するか
GLOBE/GUARDといった必須の国際参照価格モデルでは、本来の基準(OECD加盟、高いGDPなど)を満たさない国の薬価データが、参照国を通じて間接的に使われている。結果として、制度設計上の前提と実際の運用に乖離があり、価格の妥当性や公平性に懸念が生じている点を指摘している。
提案されている強制的な国際参照価格設定モデルの治療特性
仮想的に想定される対象薬を分析すると、GLOBE・GUARDいずれも希少疾患(オーファン)適応や抗がん剤の比率が高い。特にGLOBEでは約6割が希少疾患関連で、抗腫瘍薬が約半数を占める。国際参照価格制度が、革新的・高付加価値薬に大きく影響しうることを示している。
価格規制の変化における米国のバイオ医薬品リーダーシップ
2004–2024年のデータ分析から、新薬の初上市国・開発企業本拠地ともに米国が引き続き主導的地位を維持していることが示されている。一方、欧州はシェアを落とし、中国企業の存在感が大きく伸びている。価格規制の在り方が、将来のイノベーション立地に影響しうることを示唆している。
- GLOBE = Global Benchmark for Efficient Drug Pricing(効率的な医薬品価格設定のための国際ベンチマーク):海外先進国の薬価を“物差し”にして、Medicare Part Bの薬価を抑制しようとするモデル
- GUARD = Guarding US Medicare Against Rising Drug Costs(米国メディケアを薬剤費の上昇から守る):主にMedicare Part Dを対象に、国際参照価格を活用して薬剤費増加を抑えるモデル。
ニュースソース
National Pharmaceutical Council: NPC Fact Sheets.
https://www.npcnow.org/npc-fact-sheets
2026年2月20日