FDAは、大半の医薬品で単一主要試験へ

NEJM、2026年2月18日公開記事。米食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)長官Martin A. Makaryと生物製剤評価研究センター(Center for Biologics Evaluation and Research:CBER)所長Vinay Prasad両氏が、原則として「1つの十分に管理された臨床試験+確認的エビデンス」で承認する方針を新たなデフォルト基準とし、創薬の迅速化と効率化を図ることを表明した。

FDAは、1997年以降、単一試験と確認的エビデンスに基づく承認権限を有してきたが、今後はこれを原則(デフォルト)として明確化する方針を示した。確認的エビデンスには、作用機序に関する科学的知見、関連適応症データ、動物モデル、同系統薬の情報、リアルワールドエビデンス(Real-World Evidence:RWE)などが含まれる。

従来の「2試験要件」は、生物学的理解が限定的だった時代には合理的であったが、現在は分子標的理解やバイオマーカー、ベイズ統計(Bayesian analysis)などにより、単一試験でも十分な因果的確実性を評価できるとFDAは判断している。単一の質の高い試験に集中することで、試験設計、対照群、評価項目、効果量、統計計画への審査の厳格化が可能となり、かえって承認の信頼性が高まる可能性がある。

この改革により、1試験あたり約3,000万~1億5,000万ドルとされる開発コストや、平均7年以上に及ぶ開発期間の短縮が期待され、研究開発費の高さを理由とする薬価上昇圧力の緩和にもつながり得る。

Imatinib(グリベック®)のように、単一試験と強固な機序的裏付けで「劇的な効果」が示された薬剤の例を挙げ、真に革新的な治療では効果は明確に観察されるとFDAは強調している。

なお、作用機序が不明確な場合や代理エンドポイントへの依存が大きい場合などには、FDAは引き続き複数試験を要求する権限を保持するとしており、基準緩和ではなく科学的妥当性に基づく柔軟化であると位置づけている。

 

ニュースソース

Vinay Prasad and Martin A. Makary: One Pivotal Trial, the New Default Option for FDA Approval — Ending the Two-Trial Dogma.
N Engl J Med 2026;394:815-817, VOL. 394 NO. 8
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsb2517623?query=featured_home

 

2026年2月20日
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