Health Affairs、2026年2月公開の論文(ただし抄録のみアクセス可)1)。以下は、本論文を紹介したRegulatory Focus、2月11日記事2)の要約。米国が新薬の規制当局への申請を最も早く・多く受ける一方で、がん領域や治療価値が高い医薬品では各国当局間で申請タイミングに大きな差がないことを示した国際比較研究。
研究は、2014~2018年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)または欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)で承認され、その後2022年までにカナダ保健省(Health Canada)、日本の医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency:PMDA)、オーストラリア医薬品行政局(Therapeutic Goods Administration:TGA)で審査された241品目を対象に、各規制当局への申請時期と審査期間を比較したものである。
全体として、新薬の70%はFDAに最初に申請されており、FDAは他国に比べて非がん・非希少疾患・迅速審査対象外・治療価値が低いと評価された医薬品の申請割合が高かった。一方で、がん治療薬および中~高い治療価値を有すると判断された医薬品については、FDAとEMAを含む主要規制当局間で申請タイミングに大きな差は認められなかった。
初回申請からの中央値遅延はFDAが0か月と最短で、EMA(0.6か月)、Health Canada(7.9か月)、PMDA(9.6か月)、TGA(18.5か月)と続いた。審査期間自体はFDA(9.6か月)とPMDA(9.2か月)が最短であり、がん治療薬、希少疾病用医薬品、迅速承認品目、中~高治療価値医薬品では、いずれの当局でも審査期間が短縮される傾向がみられた。
申請遅延に影響する要因としては、希少疾病指定、治療価値、上市価格、市場規模が挙げられ、特に治療価値が高いと評価された医薬品は平均6か月早く申請されていた。著者らは、米国では企業が上市時に価格を自由に設定できるのに対し、他国では医療技術評価(Health Technology Assessment:HTA)に基づく価格交渉が行われる点が、治療価値の低い医薬品の海外申請を遅らせる要因になっている可能性を指摘しているとする。
ニュースソース
- Irene Papanicolas (Brown University, Providence, Rhode Island.),et al.: Review Times For New Drugs And Submission Delays Among The FDA And 4 International Regulators, 2014–22
Health Affairs, https://doi.org/10.1377/hlthaff.2025.00595 - Regulatory Focus: Study: Price, therapeutic value impact international submission times for new drugs.
https://www.raps.org/news-and-articles/news-articles/2026/2/study-price,-therapeutic-value-impact-internationa?utm_campaign=regulatory_focus&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-9Kn18aA6jh-Jung24sQQI1Leh2tFfttehs1urQ_fgE6NwwW5BekuMbiTTbflYiMapMU0mXSVaywRNjvncen_GKpE8Jvlgrr_SSXsFRCsI4NTFKpa4&_hsmi=403476053&utm_content=403476053&utm_source=hs_email