Health Affairs Scholar掲載論文。税は、輸入原薬に依存する米国製ジェネリック医薬品の価格を押し上げ、薬剤費抑制と国内製造促進政策の間に明確な緊張関係を生むことを示した研究。
研究は、米国の輸入データ(2019–2024年)を用いて、輸入された原薬(Active Pharmaceutical Ingredients:API)に依存する米国製ジェネリック医薬品に関税を課した場合の薬価への影響をモデル分析したものである。分析の結果、一律100%関税を課した場合、平均で薬価は約30%上昇(処方1件あたり21.15ドル増)し、連邦政府が想定する水準を反映した加重平均関税でも約10%(6.22ドル増)の上昇が生じると推計された。影響の大きさは薬剤ごとに異なり、これはAPIの輸入元、APIコストが最終薬価に占める割合、ならびにサプライチェーンが関税負担を吸収できるかどうかといった前提条件に強く依存していた。なお、本結果は米国内でAPIまで製造されているジェネリック医薬品には直接当てはまらないが、輸入APIを使用する米国製ブランド医薬品にも同様の影響が及ぶ可能性がある。総じて、関税は国内製造を促進する一方で、医薬品の価格上昇、患者の負担増、米国メーカーの国際競争力低下を招くおそれがあり、「米国製医薬品(made-in-America drugs)」を促進する政策を進めるのであれば、APIの国内生産支援やAPI関税の見直しを同時に行う必要があることが示唆された。
論文では、実際のAPI価格が示されており、資料としても興味深い。例えば、ペニシリンGでは、2019~2024年の輸入のTotal Costは91.54百万米㌦、Total Volume3008.4トン、キログラムあたり平均価格30.43米㌦など。
ニュースソース
Mariana P Socal (Department of Health Policy and Management, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, Baltimore, MD ), et al. : Potential impact of tariffs on active pharmaceutical ingredients on the price of US-made generic drugs.
Health Aff Sch. 2025 Dec 23;4(2):qxaf247. DOI: 10.1093/haschl/qxaf247. eCollection 2026 Feb.