【論文】スタチン系薬剤は、添付文書に記載されている副作用の大部分を引き起こさない

Lancet,2026年2月5日公開。スタチンの「副作用」とされてきた多くの症状について、二重盲検ランダム化比較試験の個票データを用いて因果性を再検証した大規模メタ解析結果の論文。

研究は、スタチンの医薬品特性要約(Summary of Product Characteristics:SmPC)に記載されている「望ましくない作用」の多くが、非ランダム化・非盲検研究に基づいている点に着目し、より信頼性の高いエビデンスを示すことを目的として実施された。

アトルバスタチン等5種類のスタチンについて、参加者1000人以上・追跡期間2年以上の二重盲検ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)19試験、約12万人の個票データ(Individual Participant Data)を解析した結果、筋症状や糖尿病リスクを除くと、SmPCに記載された66の副作用候補のうち、統計学的に有意であったのは肝酵素上昇、その他の肝機能検査異常、尿組成の変化、浮腫の4項目のみであった。しかも肝機能異常以外はリスク増加が小さく、臨床的影響は限定的であった。一方、認知機能障害、抑うつ、睡眠障害、末梢神経障害などについては、因果関係を支持する証拠は認められなかった。

著者らは、これらの結果を踏まえ、スタチンの副作用に関する表示や公的情報は見直されるべきであり、患者と医師が過度な不安に基づく治療中断を避け、適切に治療判断できる環境を整える必要があると結論づけている。

 

ニュースソース

Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration: Assessment of adverse effects attributed to statin therapy in product labels: a meta-analysis of double-blind randomised controlled trials.
Lancet DOI: 10.1016/S0140-6736(25)01578-8 (オープンアクセス)

2026年2月10日
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