米国最高裁は、「スキニーラベル」特許紛争を審理へ

米国では、先発薬の一部適応のみを除外してジェネリック承認を得る「スキニーラベル(Section viii carve-out)」制度を巡り、司法と立法で大きな動きが起きている。最高裁が2026年1月に Hikma vs. Amarin を審理することを決定し、FDA承認ラベル外の広報やマーケティングが誘導侵害になり得るかが争点となっている。制度の実効性と侵害責任の境界が問われている。

「スキニーラベル」とは、米国のハッチ・ワックスマン法(Hatch-Waxman Act)に基づくジェネリック承認手法で、特許が残る使用(適応)をラベルから削除して承認を取得するもの。限定されたラベルであることから細い(スキニー)とよばれる。これにより、まだ特許が効いている適応を回避しつつ、特許切れの用途で市場参入できる制度で、価格競争の促進と特許保護の両立を狙った仕組みである。

日本では、医薬品の「効能・効果」は薬事承認で定められ、特許は別個に管理されるが、ハッチ・ワックスマン型の特許が残る適応はラベルから削除(Section viii carve-out)する仕組みは存在しない。日本では、ジェネリック参入時に方法特許のクリアランスが基本で、適応ごとの削除承認制度はなく、侵害リスクを避けるためのラベル調整制度は設けられていない点で米国と異なる。

一方、スキニーラベルの適用はバイオシミラーにも理論的に及ぶ。最高裁で、FDA承認範囲内のラベル外広報が誘導侵害とされうる基準が確立されれば、バイオシミラーのマーケティングや医師向け情報発信にも訴訟リスクが生じる可能性がある。また、近年の立法案(Skinny Labels, Big Savings Act)ではバイオシミラーも含めた安全地帯の明文化が検討されている。

もし(万が一)、日本企業が米国参入を狙う際は、スキニーラベル戦略のリスクと法的境界を理解することが重要といえる。

 

ニュースソース

(以下のサイト記事を参考に作成した)

2026年2月6日
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