【論説】製薬業界は価格の透明化を進めるべき

製薬業界は価格の透明化を進めるべきとする記事2本。

  1. BioSpace、2026年2月2日記事。

製薬企業が薬価決定の根拠を「機密」として説明してこなかった時代は終わりつつあり、米国では大統領令や政府交渉を通じて価格透明性への圧力が不可逆的に高まっている。

薬価はR&D費用や制度要因だけでなく、個別薬剤ごとの臨床価値、費用対効果(QALY)、比較治療、支払者交渉などに基づいて合理的に決定されているにもかかわらず、そのプロセスが外部に説明されないことが不信と政治介入を招いてきた。医療機器業界がHECONデータを公開し信頼を得ているように、製薬業界も個別製品ごとの価格形成ロジックを自発的に開示すれば、支払者との対立緩和、償還判断の迅速化、レピュテーション回復につながる可能性がある。透明性はもはや選択肢ではなく、先行して説明責任を果たす企業こそが、将来の強制的規制よりも有利な立場を築けると論じている。

  1. MedCity News、2月1日記事。

医療費、とりわけ薬剤費の不透明さは、患者に強い無力感と不安を与え、治療継続そのものを阻害している。救急外来や薬局の現場では、検査や処方の「価格が分からない」ことが原因で受診や服薬を断念するケースが少なくなく、実際に多くの患者が費用を理由に服薬を中断・調整している。近年、GLP-1製剤などの高額なスペシャリティ医薬品が医療費増加の主因となる一方、価格情報の欠如は服薬アドヒアランス低下を通じて、回避可能な入院や医療費増大を招いている。
技術的には、保険自己負担額、メーカーのコペイ補助、現金払い価格、DTC価格という「患者が実際に支払う4つの価格」を、処方前に一元的に提示することはすでに可能であり、これを医師・薬剤師の既存ワークフローに組み込むことが鍵である。たとえば高額な生物学的製剤でも、メーカー補助により自己負担が大幅に軽減される場合があるが、その情報が知られていないために治療機会が失われている。薬局カウンターでの“価格当てゲーム”を終わらせ、処方前に完全な価格可視化を行うことこそが、薬剤アクセス改善、服薬継続、そして医療アウトカム向上につながる現実的な解決策であるとする。

 

ニュースソース

  1. BioSpace: Opinion: Pricing Transparency Is Coming to the Pharma Industry.
    https://www.biospace.com/business/opinion-pricing-transparency-is-coming-to-the-pharma-industry
  2. MedCity News: Medication Affordability Depends on Total Price Transparency.
    https://medcitynews.com/2026/02/medication-affordability-depends-on-total-price-transparency/?utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-8TCXq8rNkDNfJP87UIx-TxfBCtbrEpc60zsDrX9JQW8TjpY-4mrcVp34bP2wJVAqUKzrzQJ45UBkR6fRLcTmF3jAJ_ShI8z8CTSmr2e_N8w5zBNgI&_hsmi=401564054&utm_content=401564054&utm_source=hs_email
    (いずれもサブスクリプションが必要)
2026年2月3日
このページの先頭へ戻る