【論文】英国および EU におけるバイオシミラー製品の臨床開発状況のホライズンスキャン

英国およびEUにおけるバイオシミラーの臨床開発状況を、ホライズンスキャニング手法を用いて体系的に整理した研究であり、現在どのバイオシミラーがどの段階にあり、今後どの分野で開発が進みそうかを明らかにした論文。論文(原稿段階)本文の要約。

  1. 研究目的と方法
  • 英国・EUにおけるバイオシミラーの臨床開発パイプラインの全体像を把握することを目的としている。
  • ClinicalTrials.govおよびEU Clinical Trials Registerを用い、2017年4月~2025年2月にホライズンスキャニングで捕捉されたバイオシミラーを分析した。
  • EMAおよびMHRAの承認状況もあわせて整理している
  1. バイオシミラー開発の規模
  • 156品目のバイオシミラーが確認され、174件の臨床試験に紐づいていた。
    このうち、

    • 英国(MHRA)で承認済:64品目
    • EU(EMA)で承認済:78品目
      であった
  1. 開発が集中している参照製品
  • 開発数が多い参照製品は、
    • デノスマブ
    • ベバシズマブ
    • アダリムマブ
      であり、特にデノスマブは現在も最も活発な開発対象となっている
  1. 臨床開発段階の特徴
  • 主試験の約9割(87%)が第III相試験であり、バイオシミラー開発が後期段階に集中していることが示された。
  • 一方、MHRAでは比較有効性試験の省略を認める新たな考え方が導入されており、今後は臨床試験を伴わない承認が増える可能性がある
  1. 現在も開発中のバイオシミラー
  • 英国未承認のバイオシミラーのうち、71品目が現在も臨床開発中である。
  • Celltrion、Samsung Bioepis、Amgenなど、特定企業が開発を牽引している構図が明確になった

 

  1. 政策的・実務的示唆
  • バイオシミラー市場は、
    • 特許切れのタイミング
    • 規制当局の柔軟化
    • 医療現場での受容性
      に強く左右される。
  • 臨床試験に依存しない承認が増えると、従来型ホライズンスキャニングの手法では早期把握が難しくなるため、特許情報などを組み合わせた新しい監視手法が必要であると指摘している

 

ニュースソース

Hussain A, Fairbairn R, Khan SK. Horizon Scan of the Clinical Development Landscape of Biosimilar Products in the UK and EU. Int J Technol Assess Health Care. 2026 Jan 26:1-25. doi: 10.1017/S0266462326103468. Epub ahead of print. PMID: 41582777.

2026年1月27日
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