【ロイター記事】製薬会社、トランプ氏の圧力にもかかわらず350種類の医薬品の米国価格を引き上げ

ロイター2026年1月2日記事。米国で2026年に向けて多くのブランド医薬品が値上げ予定である一方、政府の価格抑制圧力や一部薬剤の大幅値下げも同時に進んでいるという、矛盾した薬価動向を報じたニュース。

製薬企業は少なくとも350品目のブランド医薬品について、2026年1月から米国での薬価引き上げを計画している。対象には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、RSウイルス(RSV)、帯状疱疹のワクチンや、がん治療薬Ibranceなどの主力製品が含まれる。2026年分の値上げ件数は前年同時期(約250品目)を上回り、中央値は約4%と、2025年と同程度である。なお、これらの価格はリベートやPBM(薬剤給付管理機関)向け割引を反映しないリスト価格である。

一方で、製薬企業は一部薬剤の値下げも予定しており、特にJardianceでは40%以上の大幅なリスト価格引き下げが示された。ジャディアンスは、メディケア(Medicare)向けの政府薬価交渉で2026年から価格が約3分の1に引き下げられる対象薬の一つであり、政府交渉が実勢価格に強く影響している例といえる。

米国の医薬品価格は依然として他の先進国より著しく高く、トランプ政権は国際水準への引き下げを求めているが、専門家からは、製薬企業と政府の「合意」は全体の高価格構造を変えるには不十分だとの批判も出ている。企業側は、表向きはインフレ以下の「控えめな値上げ」と説明しつつ、裏では割引交渉を行い、さらに直接支払い(DTC)向けに別価格を設定するなど、複雑な価格戦略を取っていると指摘されている。

総じてこの記事は、米国医薬品市場では価格抑制策が進む一方で、依然として年初の定期的な値上げ慣行が続いており、薬価改革が「周辺的な調整」にとどまっている現状を浮き彫りにしている。

 

ニュースソース

Reuters: Exclusive: Drugmakers raise US prices on 350 medicines despite pressure from Trump. (By Michael Erman, January 2, 2026)
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/drugmakers-raise-us-prices-350-medicines-despite-pressure-trump-2025-12-31/?ut%E2%80%A6

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2026年1月26日
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