韓国、低価値医療処置の償還削減へ

Korea Biomedical Review、2026年1月12日記事。韓国の公的医療保険で「価値が下がった医療行為」を定期的に見直し、給付から外す・縮小する仕組みを本格導入する議論が始まっているとするもの。

韓国健康保険審査評価院(Health Insurance Review and Assessment Service:HIRA)は、「医療行為の事後評価・監視(Post-Review Surveillance)制度」の設計に関する研究を公表し、医療材料や医薬品と同様に、医療行為そのものも市場導入後に価値を再評価すべきと結論づけた。現在、医療行為は保険医療費の72.25%を占めるにもかかわらず、臨床的有用性が低下した技術を体系的・定期的に見直す仕組みが存在しないことが問題視されている。

研究は、安全性・有効性・費用対効果が確認された技術は維持・促進し、価値が下がったものは給付内容を調整することで、健康保険財政の効率性と持続可能性を確保すべきだとしている。そのためには、「医療行為・医療材料の決定・調整基準」に、医療行為を事後評価できる法的・制度的な位置づけを新たに設ける必要があるとした。

評価の結果として取り得る措置は、

①給付適用の見直し、
②相対価値点数の改定、
③選別給付における自己負担率の変更、
であり、評価基準は医学的妥当性、有効性、費用対効果、患者負担、社会的便益などで、新規技術評価と整合させるべきだとされている。

運用面では、レセプトデータに基づく利用実態モニタリングと、エビデンスに基づく安全性・有効性・費用対効果評価を組み合わせ、専門家の意見を含む透明で体系的なプロセスが提案された。候補選定は5年ごとのデータ分析を基本とし、縮小傾向の医療行為、学会が再評価を求めた技術、韓国国家エビデンス基盤医療調整機関(National Evidence-based Healthcare Coordinating Agency:NECA)のHTAで「非推奨」とされた医療行為、社会的・臨床的に議論のある技術などを対象にする。選定後は、運営部門→専門家小委員会→医療行為専門評価委員会・適合性評価委員会→健康保険政策審議委員会という多段階の審査を経て最終決定される。

事後管理は次の3類型に分けられる。

  • 制限型:直近3年間ほぼ使われず代替技術が普及しているもの → 選別給付経由で給付終了、または即時非給付化
  • 縮小型:使用が減少し一部施設のみで使われるもの → 選別給付化または適応限定
  • 拡大型:使用が予測を超えて増加したもの → 相対価値点数や支払方式を見直し、適正使用を誘導

研究チームは、医療行為の事後的な価値管理こそが、保険財政の効率化と制度の持続可能性を確保する鍵であると結論づけている。実装には利害対立などの困難があるが、段階的に調整しながら最適解を探ることが不可欠とする。

 

ニュースソース

Korea Biomedical Review: HIRA moves to cut reimbursement for low-value medical procedures.(by Kwak Sung-sun, 2026.01.12)
https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=30253

2026年1月13日
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