Korea Biomedical Review、2026年1月12日記事。韓国の薬価制度改革が「価格競争強化」と「産業育成」のバランスを失いかねないとして、製薬・バイオ企業トップの強い懸念を集めているとするもの。
政府が導入を検討している「市場連動実取引価格制度」と、値引き・リベートに対するインセンティブ率の20%→50%への拡大について、企業CEOの91.5%が「過度な価格競争による収益性悪化」を最大の懸念と回答した。医療機関の交渉力が一方的に強まることや、CSO(外部販売組織)活用の増加など流通戦略の変化も問題視されている。
安定供給を促すための国産原料・国内生産品への“供給安定ボーナス”についても、実際に原料を内製化する意向を示した企業は25.4%にとどまり、必須医薬品の国内生産についても約6割が消極的で、価格上の優遇がコスト増をカバーできていない実態が浮き彫りになった。
イノベーション優遇(革新加算)も評価は厳しく、約73%が「制度は妥当でない」と回答。R&D比率だけで判断され、パイプラインの質や技術力が反映されないこと、ボーナス終了後に優遇が約40%に縮小する短期性が問題視されている。企業側は、設備投資、臨床試験数、技術移転、特許数、VC投資なども評価軸に含めるべきだと主張している。
さらに、後発医薬品(ジェネリック)を数量連動型の価格交渉に含める案には50社が反対し、「すでに十分安い」「二重規制になる」「海外では新薬のみ対象」という点が理由として挙げられた。
企業が政府に求めているのは、単なる薬価引き下げではなく、イノベーション企業の柔軟な認定基準、R&D税制優遇、投資ファンド、製造・品質投資支援、必須医薬品供給企業への保護といった産業政策的な後押しである。
記事は、韓国の薬価改革がこのまま進めば、短期的な保険財政の節約と引き換えに、供給とイノベーションを弱体化させかねないという業界の強い警告を伝えている。
ニュースソース
Korea Biomedical Review: Pharma industry worries ‘market-linked actual transaction price system’ could worsen profitability: survey. (Park Gi-taek, 2026.01.09)
https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=30237