デンマークはなぜ小児用ワクチンをそれほど推奨しないのか

Science、2026年1月7日、デンマークの「少ないワクチン戦略」の意味を解説した記事。意見は、コペンハーゲン大学病院の感染症専門医、デンマーク保健庁におけるワクチンプログラム諮問委員会のメンバーである Jens Lundgren氏のもの。

米国HHSは、デンマークを参考にして小児ワクチンの推奨を見直し、B型・A型肝炎、ロタウイルス、髄膜炎菌、インフルエンザ、COVID-19を「全員接種」から親と医師の共同意思決定に移した。しかし、デンマーク側の専門家は「国の状況が違うのに、そのまま真似するのは危険」と強く釘を刺している。

デンマークはHBV流行が極めて低く、妊婦スクリーニングも万全であるため、B型肝炎ワクチンを全新生児に打つ必要性が低い。髄膜炎菌も国内の発症数が非常に少なく、ロタウイルスは重症度とワクチン効果のバランスを見て慎重に検討中だという。その根底にある考え方が「接種疲れ(vaccine fatigue)」である。ワクチンを詰め込みすぎると、親が重要なものとそうでないものを選別し始め、SNSなど不確かな情報に流れ、結果として本当に重要なワクチンの接種率まで落ちるリスクがあるとデンマークは考えているとする。一方で、米国は医療アクセスの格差が大きく、妊婦健診を受けられない人も多い。そうした国では、ユニバーサル接種こそが公衆衛生のセーフティネットになるため、デンマーク方式を単純に輸入するのは不適切だというのが専門家の結論である。

 

ニュースソース

Science: Why does Denmark recommend so few childhood vaccines? A Danish scientist explains.( 7 Jan 2026, By Gretchen Vogel) doi: 10.1126/science.zv4q33c
https://www.science.org/content/article/why-does-denmark-recommend-so-few-childhood-vaccines-danish-scientist-explains?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_content=alert&utm_campaign=WeeklyLatestNews&et_rid=79567821&et_cid=5844168(サブスクリプション)

2026年1月12日
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