【論説】服薬遵守は単なるチェック項目ではなく行動であるべき

MedCity News、2026年1月9日記事。服薬アドヒアランスを「患者の意思」ではなく「行動科学で支えるべき動的プロセス」として捉え直すべきとする。

慢性疾患患者の約半数が処方どおりに薬を飲めていないという現実が、入院増加、治療失敗、医療費の無駄を生み続けている。にもかかわらず、従来の対策はリマインダーや一斉連絡といった「チェックボックス型」にとどまり、ストレス、貧困、介護負担、副作用といった現実の障壁を見落としてきた、と筆者は指摘する。その上で、保険者・医療提供者が取るべき転換として、次の3つのポイントが示されている。

  1. アウトリーチからエンゲージメントへ
    連絡すること自体が目的ではなく、動機づけ面接(motivational interviewing)などの行動科学的手法を使って、なぜ飲めないのかを掘り下げる対話に切り替えることが必要である。
  2. 患者を“全体”として支えること
    服薬中断の背後には、うつ、食料不安、家族介護、経済的負担がある。薬の問題を、生活の問題として扱う統合的支援が不可欠である。
  3. 適応型システムへの投資
    固定的なプロトコルではなく、データを使って離脱の兆候を早期に察知し、健康リテラシーや嗜好に応じて支援を個別化し、段階的に強化する仕組みが求められる。

こうした行動科学ベースのアプローチは、思いやりがあるだけでなく経済合理的でもあり、1ドルの投資が2ドル以上の医療費・生産性損失の回避につながるとされる。価値基盤型医療(value-based care)においては、Star Ratingの向上や予防可能な入院の減少といった成果にも直結する。

服薬アドヒアランスは「覚えているか」ではなく、「その人の人生が今どうなっているか」で決まる動的行動である。だからこそ、文脈・感情・生活に寄り添った支援こそが、最も効果的な解決策だとする。

 

ニュースソース

MedCity News: Medication Adherence Isn’t a Checkbox. It’s a behavior. Let’s Treat It That Way. (By Chandra Osborn on January 09, 2026)
https://medcitynews.com/2026/01/medication-adherence-isnt-a-checkbox-its-a-behavior-lets-treat-it-that-way/?utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-9A00a5SqvfrePxxVoResP_Qf90WqBQrkTmnPyBFPN312KBTLxcMI5gBOgM66zEycFgLaujZj_dxbJf7GNPoc80ZK0SH8zNQS6eBoOAVsWqR1BYw_g&_hsmi=397825988&utm_content=397825988&utm_source=hs_email

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2026年1月12日
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