スイスの日本向けニュースサイトSwissinfo.ch、2025年7月14日記事。世界の薬剤耐性が深刻化するなか、収益性の低い抗菌薬を開発する企業は極めて少ない。英国、日本などが急ピッチで開発促進に乗り出す一方で、スイスは危機感が薄く対応が遅れているとする。
抗菌薬は安価で使い控えも求められるため、製薬企業にとって採算が合わず、多くの大手企業が開発から撤退した。実際に有効な新薬を出した企業が倒産するなど、市場の失敗が起きている。これを是正するため、英国はサブスクリプション型、日本は収入保証型の「プル型インセンティブ」を導入した。
スイスでも導入が検討されているが、対応は遅れている。スイスでは耐性菌CRABの重症感染に対し、未承認薬を高額で輸入せざるを得ない事態が現実に起きている。2010〜19年に世界で承認された18種の新抗菌薬のうち、スイスで使えるのは6種類、日本は5種類にすぎない。
供給網の問題や市場撤退で既存薬も不足し、病院のコストと治療遅延が増大している。
ロシュの新薬ゾスラバルピンのような革新的抗菌薬も、持続的な開発には公的インセンティブが不可欠である。富裕国が市場の失敗を補い、抗菌薬開発を支えなければ世界は耐性菌に無防備になる、と記事は警告している。
ニュースソース
Swissinfo.ch:薬剤耐性に挑む世界 スイスはなぜ出遅れたのか
2026年1月9日