STATエッセイ:患者はAIに相談している。医師もそうすべきだ

STAT、2025年12月30日掲載エッセイ。著者はダートマス大学ガイゼル医科大学教授Angelo Volandes氏。

医療現場でAIの活用がすでに現実になっている一方で、医学教育や研修制度がそれに追いついていないことへの問題提起。患者は診察前にChatGPTなどで治療選択肢を調べて来院し、医師も今後はAIを参照せずに診療することが法的にも専門的にも正当化しにくくなる時代が来ると著者は指摘する。AIは医師の代わりではなく、膨大な医学知識を補う「臨床の相談役」として機能すべき存在であるとする。そのため著者は、単にAI使用を許可するのではなく、制度として組み込むべきだと主張する。

第一に、医学生や研修医が「どのAIを使い、何を聞き、どの助言を採用・却下したか」を振り返るAI検証プロトコル(AIラウンド)を導入し、指導医がレビューする仕組み。

第二に、AI利用の透明化として、専門医コンサルトと同じように、電子カルテにAIへの質問と回答を記録することを研修制度( Accreditation Council for Graduate Medical Education :ACGME)での義務化。

第三に、AIリテラシーの能力評価を医師国家試験や専門医試験に組み込み、どのAIがどの臨床問題に使えるのか、エラー率や限界を理解しているかを試験で確認すべき。

第四に、患者への説明と同意の枠組みを整備し、AIが診療判断に使われたことを患者に伝え、医師の判断との関係を説明する訓練を学生にさせるべきだとする。

こうした制度化がなければ、医療のAI利用は企業主導で無秩序に広がり、教育も臨床も歪む。人間の医師が不安に寄り添い、意味を与える役割はAIに代替できないが、AIは医師をより賢く、より有能にできる。だからこそ、医学教育と医療制度は、AIを排除するのではなく、責任をもって使いこなす方向へ今すぐ進化すべきと著者は主張している。

 

ニュースソース

STAT: Patients are consulting AI. Doctors should, too.
https://www.statnews.com/2025/12/30/ai-patients-doctors-chatgpt-med-school-dartmouth-harvard/?utm_campaign=daily_recap&utm_medium=em%E2%80%A6

 

2025年12月31日
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