Korea Biomedical Review (KBR)、2025年12月24日記事から。セルトリオンは、韓国においてオマリズマブ(先行品商品名:Xolair)バイオシミラーOmlyclo(CT-P39)のオートインジェクター(自己注射ペン型)の承認を取得したとのこと。韓国では、ゾレアはバイアルやプレフィルドシリンジのみで、オートインジェクターは未対応である。一方、韓国市場では「どう投与できるか」が処方選択に影響するため、これは価格以上に強い差別化となるとしている。
Omlyclo(CT-P39)は「初期参入BS」として世界展開が進んでおり、例えば米国では、interchangeableでの承認を取得した。だだし、Xolairの製剤特許が2025年11月に米国で切れるため、複数のBSが同時に参入する「群集市場」になる可能性が高いともしている。
また、オマリズマブが対象となるCSU(慢性特発性蕁麻疹)市場では、ゾレア代替が必ずしもバイオシミラーだけではなくなっている。Dupixentは、2025年にCSU適応でFDA承認(抗IgEではない)、Rhapsido(remibrutinib: Novartis)は、経口BTK阻害薬としてCSUで2025年にFDA承認されており、注射のゾレア vs 注射のBS」という単純な構図が崩れつつある。また、韓国発の「次世代抗IgE」として、Yuhan × GI Innovation の lesigercept(YH35324) が開発されており(Phase Ⅱ)、ゾレア抵抗例でも効果を示すとされている。
(坂巻コメント:記事は、Omlycloのペン型承認は、単なるデバイスの話ではなく、「ポスト・ゾレア時代の覇権争いの号砲」を報じたものと言える。バイオ新薬もバイオシミラーも開発できない日本企業には無関係な話か。)
ニュースソース
Korea Biomedical Review: Celltrion puts its Xolair biosimilar in a pen in Korea, potentially gaining an edge on Novartis.
https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=30095