食欲抑制薬の土地利用への影響:2026年における生物多様性保全課題の展望

Trends in Ecology & Evolution(TREE)、2025年12月2日記事。第17回年次ホライズンスキャンでは、世界の生物多様性保全に関する懸念事項として15の新興課題を特定した。

これらの課題は、保全モニタリングに革命をもたらす可能性のある、小型機械学習(TinyML)や低消費電力光学人工知能(AI)チップなどの技術的進歩を網羅している。ある問題が、南大洋の塩分濃度に予期せぬ変化が生じていることを浮き彫りにしている。提示された15の課題は、地球規模の生物多様性保全と将来の潜在的な展開に関心を持つすべての人にとって必読のものとする。

15の課題の中で、「食欲抑制薬の土地利用への影響」が取り上げられている。

減量を促進するGLP-1受容体作動薬の使用増加は、人間のカロリー摂取量や食習慣への影響を通じて土地利用に影響を与える可能性がある。減量薬の使用者は、加工食品、 糖分を含む飲料、精製穀物、牛肉の摂取量も減少したことが実証されている。牛肉や高度に加工された食品は、土地と資源を大量に消費するため、需要の持続的な減少は牧草地の拡大を遅らせ、耕作地の面積を減少させる可能性がある。直接的な土地利用変化はまだ確認されていないものの、広範かつ持続的な食習慣の変化は、土地転換、灌漑、農薬投入を減少させ、生態系回復、自然再生、または炭素固定の機会を創出する可能性があるとする。

 

ニュースソース

William J. Sutherland: A horizon scan of biological conservation issues for 2026.
Trends in Ecology & Evolution, Volume 0, Issue 0. December 02, 2025Open access
https://www.cell.com/trends/ecology-evolution/fulltext/S0169-5347(25)00301-5?dgcid=raven_jbs_aip_email&et_rid=79567821&et_cid=5820685

 

2025年12月16日
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