STAT、2025年12月11日記事は、Lillyの次世代肥満治療薬 retatrutide が第3相試験で過去最大級の体重減少を示す一方、副作用による離脱が多く、治療の忍容性に課題が浮き彫りになったことを伝えた。
Eli Lillyの新規肥満治療薬 retatrutide は、第3相試験で最大28.7%という極めて大きな体重減少を示し、同社のZepboundやNovo NordiskのWegovyを上回る水準に達した。しかし同時に、副作用による中止率が12〜18%と高く、参加者の中には「体重が落ちすぎる」と感じて治療をやめた人もいた。嘔気、下痢、嘔吐などの消化器症状が頻発し、BMIが高い群でも中止率は9〜12%に上った。こうした結果は、効果の高さがそのまま患者の望む治療とは限らないことを示し、製薬企業が競い合う「より大きな減量」を追求する流れへの疑問を呼んでいる。
Retatrutide はGLP-1、GIP、グルカゴンの3つを標的とする「triple-G」薬として期待されており、今回の試験では膝の疼痛改善も認められ、治療継続者ではWOMAC痛スコアが最大76%減少した。また、皮膚の異常感覚(dysesthesia)が9〜21%で見られたが、多くは軽度で中止に至るケースは少なかった。過去の第2相で報告された不整脈については今回の発表では触れられていない。今回の結果はretatrutideの有効性を強く裏付ける一方、安全性・忍容性に関する慎重な見極めが必要であることを示しており、今後公表される他の第3相試験データが注目されている
ニュースソース
STAT:Lilly’s next-gen obesity drug delivers major weight loss in Phase 3 trial, but with many discontinuations.
https://www.statnews.com/2025/12/11/eli-lilly-retatrutide-weight-loss-obesity-tolerability-trial-results/?utm_campaign=daily_recap&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-_s6ifVxGOdYjma52Pa4q87sbd76hNqWjuG1UazI0qakNY6HR5sx8lLksHRggiASbHfejRLIdAQ-Jn0beOTIYOszRZvQIRJZZuektxiyVWPwV-hOoE&_hsmi=394085974&utm_content=394085974&utm_source=hs_email