FDA、処方薬から一般用医薬品への切替えに関する政策手続きマニュアルを公表

米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA) 医薬品評価研究センター(Center For Drug Evaluation and Research:CDER)ジェネリック医薬品局(Office of Generic Drugs:ODG)は、2025年12月8日、MAPP 5200.11「処方薬から一般用医薬品への切り替え及び簡略化新薬申請」に関する政策手続マニュアル(Manual of Policies and Procedures:MAPP)を公表した。

この MAPP は、処方箋医薬品(prescription drug)が「店頭で買える一般用医薬品(nonprescription drug)」に切り替わる場合(switch)の手続きやルールを定めたもの。先発品(RLD)が処方薬→一般用(OTC)へ全面スイッチしたとき、そのジェネリック(ANDA)もラベルや申請内容を必ず更新しなければならない、という手続きを定めている。(MAPP内容は下記)

 

ニュースソース

 

MAPP 5200.11の概要(ChatGPT作成)
  1. PURPOSE(目的)

処方薬(Rx)が 完全に OTC へスイッチしたとき、その RLD を参照している ANDA(ジェネリック)が ラベル更新など必要な追加情報を提出する手順を示す。適用されるのは「フルスイッチ」のみで、部分スイッチ、未承認 ANDA、ACNU 製品は対象外。

  1. BACKGROUND(背景)

NDA 保有者は FDA へ申請して、処方薬→OTC に切り替えることができる。フルスイッチ後は、その薬は OTC としてしか販売できない。一般用医薬品に「Rx only」が表示されていれば misbranded(表示違反)となり、逆も同じ。「臨床的に意味のある違い」がない限り、処方版と OTC 版を同時に売ることは認められない。すなわち、ジェネリック側が Rx ラベルのまま残っていると 違反状態になる。

  1. POLICY(基本方針)

ANDA のラベルは RLD と同じでなければならないため、フルスイッチ後は 6か月以内に OTC 用ラベルへ更新が必須。ジェネリックメーカーは 新しい ANDA を出す必要はなく、「変更申請(supplement)」で OK。ラベル更新を怠ると、FDA は ANDA 承認を取り消すことがあり得る。本来は ANDA 保持者自身が RLD ラベル変更を監視する義務があるが、FDA/OGD も 通知を送付してサポートする。

  1. PROCEDURES(手続き)

RLD のフルスイッチ承認後、OGD のラベリング担当(DLR)が各 ANDA 保持者に「通知書(Attachment 1)」を送付。

OGD が、ANDA 保持者が提出した
・ラベル変更 supplement
・ANDA の撤回
・時期を明記した連絡
のいずれかを確認して追跡。

6か月経っても反応が無ければ、フォローアップ通知(Attachment 2) を送る。さらに、30日以内に反応がなければ、OGD は Compliance(コンプライアンス部門)と協議し、行政対応を検討。

  1. 添付文書(Attachments のポイント)
  • Attachment 1:最初の通知

「Rx only のままでは違法。ラベル更新が必要」
「30日以内に、どう対応するか返事してください」
RLD の Orange Book 情報も確認するよう案内。

  • Attachment 2:フォロー通知

「前回連絡を送ったが返答がない」
「あなたの製品はこのままだと違法」
「30日以内に supplement を提出せよ」

 

 

2025年12月11日
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