STAT,2025年12月4日記事。
FDA のマカリー長官は、医薬品承認の基本要件を「2つの臨床試験」から原則1試験へ引き下げる方針を表明し、迅速審査と規制簡素化を目指すと述べた。これにより、適切に設計された1試験で十分な統計的証拠が得られる場合、1本のピボタル試験がデフォルトとなる。
1962年以来「2試験=実質的証拠」の原則を支えてきた歴史があるが、近年はまれな疾患やがん領域で1試験+確認的データが一般化しており、2020年には承認薬の半数が1試験ベースだった。今回の発表は“柔軟性”を超えて、原則2試験という枠組みを事実上放棄する可能性があり、法的妥当性にも疑問が呈されている。
加えて、マカリー体制は「審査の迅速化」「動物試験削減」など一部領域で規制緩和を進める一方、ワクチンに対しては逆に規制強化を示唆するなど、整合性の見えない動きも批判を呼んでいる。
FDA内部の科学スタッフや専門家は「科学的根拠の弱体化」「法的に不安定」と強く懸念し、この方針はトップ審査官パズダー氏の突然の退任にも影響したとの内部証言も出ている。また、科学スタッフが事前に相談されていないとの証言もあり、FDA内部の不安と混乱が深まっている様子が浮き彫りになった。
ニュースソース
STAT: FDA to lower number of trials required for approval of drugs, other medical products.
https://www.statnews.com/2025/12/04/fda-considers-single-clinical-trial-for-new-product-approvals/?utm_campaign=daily_recap&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-_e-hw2vM1s9TcXmGvBtR0MXS-83cHgp0tXNxTTWSnplZigijy-i45Zqn5-Qi6ZEvQqEZ_WWb5Hd7hO3FZstxm53s29-2Ns8bU3pbfyX__2J_U-v-Y&_hsmi=393048485&utm_content=393048485&utm_source=hs_email(サブスクリプション)