【論文】細胞・遺伝子治療における米国単一支払者モデルの推進

JAMA Internal Medicine、2025年12月1日公開論文。

細胞・遺伝子治療(Cell and Gene Therapy:CGT)は希少疾患に根治をもたらす一方、極めて高額で保険者の負担が大きいため、米国ではアクセスが進みにくい。欧州は中央集権的な価値基準・費用対効果に基づく価格交渉や成果連動型(Outcomes-based)契約でリスクを分担し、比較的早期に保険償還が進むのに対し、米国は「保険の断片化(Churn)」と州予算制約が治療提供を妨げている。こうした課題に対応するため、米国ではCenter for Medicare and Medicaid Innovation (CMMI)が州メディケイド向けの共同価格交渉モデルを開始したが、財源不足で治療数の制約は残る。

論文は、将来的には、短期で完結する“治癒型”CGTに限定した単一支払者モデル(Single-payer)を創設し、全国レベルで価格交渉・成果連動型契約を行うことで、アクセス格差解消と市場の持続性を高めるべきだと提案する。

 

ニュースソース

Brendbekken, Audun (), et al. : Advancing a US Single-Payer Model for Cell and Gene Therapy.
JAMA Intern Med., Published Online: October 20, 2025, 2025;185;(12):1413-1414. doi:10.1001/jamainternmed.2025.5058 (オープンアクセス)

2025年12月3日
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