韓国政府は、日本やフランスを参考にして、ジェネリック医薬品価格を大幅引き下げ

2025年11月29日、Korea Biomedical Review記事から1)。

政府は2026年後半から医薬品価格制度の大規模な見直しを開始し、後発医薬品の価格設定比率を現行の先発薬価格の53.55%から40%台前半に引き下げる。この措置は、ジェネリック医薬品の価格を日本やフランスなどの水準に引き下げることを目的としており、韓国のジェネリック中心の市場構造を改革し、新薬開発へのインセンティブを強化する方向への転換を示している。

政府はまた、臨床的価値に基づき承認された適応症ごとに異なる価格を設定する適応症ベースの価格設定システムの実現可能性を検討する。
重篤かつ希少疾患治療の償還までの期間が最大240日に及ぶ点に問題視し、2026年前半に試験的に迅速化プロセスを導入し、100日以内に短縮する方針であるとする。(12月1日公開)

 

上記方針に対し、韓国業界団体は、過剰な薬価引き下げが研究開発投資にとって極めて重要な時期を損なうと警告し、政府に制度の見直しを強く求めている2)。

製薬各社の利益率はすでに脆弱で、さらなる薬価削減は新薬開発の遅延・設備投資停滞・人材確保難・国際競争力低下の連鎖を招くとの懸念が広がる。さらに、薬価が原価に近づけば企業は採算の取れない必須薬から撤退し、供給不安が高まる可能性が指摘される。2012年の一律薬価引き下げが結果的に国民の薬剤費負担増につながったとの教訓も踏まえ、業界は改革前に影響分析・産業との協議・R&D投資企業への優遇強化を求め、価格削減一辺倒ではなく持続可能なバランスある制度改革を訴えている。(12月3日公開、続報)

 

 

ニュースソース

  1. Korea Biomedical Review: Korea launches sweeping drug pricing reform to curb generic dominance.
    https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=29798
  2. Korea Biomedical Review:Generic drug price cuts risk collapsing Korea’s pharma ecosystem, industry warns.
    https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=29816
2025年12月3日
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