ノボノルディスクは2025年11月24日、アルツハイマー病患者を対象に減量薬セマグルチドを試験した2件の臨床試験が失敗に終わったと発表した。プラセボ(偽薬)と比較して、同薬が病状の進行を遅らせなかった。第3相evoke および evoke+ trials(軽度認知障害または初期アルツハイマー病の成人患者3,800名以上を対象)において、経口セマグルチドは特定の疾患関連バイオマーカーに改善をもたらしたとノボは発表した。しかし、これらの変化は疾患進行の遅延にはつながらなかったとされる。
一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、11月21日、注射薬posdinemabの中間段階試験を中止したと発表した。結果の早期分析により、この治療法がプラセボよりも有効性を示さないことが判明したためである。エーザイのレカネマブがアミロイドを標的とするのに対し、Posdinemabは、タウタンパク質を標的とする新薬候補で、バイオジェン、UCB、Voyager Therapeuticsなども同様のMoA医薬品を開発中である。
これらの臨床試験の失敗は、GLP-1Aやタウタンパクの新薬開発に影響を及ぼす可能性がある。
ニュースソース
STAT: Novo Nordisk’s semaglutide fails to slow Alzheimer’s progression
STAT: J&J’s novel Alzheimer’s drug fails in key trial, dimming hopes for a hot target.
Science: Popular obesity drug fails in hotly anticipated Alzheimer’s trials.
(いずれもサブスクリプション)