米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)機関誌、JCO Oncology Practice、2025年11月7日公開論文(抄録のみ閲覧可)。
2015〜2024年に承認された11種類のチェックポイント阻害剤について、価格推移と適応症の重なりを分析したところ、薬価はわずかにしか下がっておらず、2024年時点でも月額7,783〜14,872ドルと高止まりしていた。価格がほとんど下がらない理由の1つとして、55の適応のうち約半数が単独薬剤のみの適応で、同クラス薬間の“直接競合が生じにくい”構造であることが示された。特にペムブロリズマブは全適応の82%を占め、非重複適応も独占的に保持していた。新規参入薬も非重複適応で承認されるケースが多く、価格競争が働きにくい状況が続いている。高薬価に対処するには、価格交渉の拡大や比較臨床評価のインセンティブ付与など、競争を促す政策が必要だと結論づけている。
ニュースソース
Jeddeo M. Paul, et al. Pricing Trends and Overlapping Indications of Checkpoint Inhibitors for Cancer Treatment.
JCO Oncol Pract., DOI: 10.1200/OP-25-00099
2025年11月23日