国立医療技術評価機構（National Institute for Health and Clinical Excellence：NICE）は、 2025年10月30日、新規診断の高リスクホルモン感受性転移性前立腺癌を有する成人患者に対する治療選択肢として、アンドロゲン遮断療法およびプレドニゾロンまたはプレドニゾンとの併用によるアビラテロン及びそのジェネリック医薬品を推奨する最終草案ガイドラインを公表した。
この決定は、2021年のガイダンスからの重要な転換を示すもの。当時、アビラテロンはNHSにとって費用対効果が見込めなかったため推奨されなかった。今回、低コストのジェネリック医薬品が利用可能となったことを受け、再評価が行われ、新たな推奨につながったとしている。
アビラテロン策酸エステルは、男性ホルモンであるアンドロゲンを作るために必要な酵素であるCYP17を選択的に阻害することで、アンドロゲンの生成を抑制し、男性ホルモン依存性の前立腺がんの進行を抑える。日本国内では、先行品はサイティガ錠の商品名でヤンセンファーマから発売されており、2023年8月以降、ジェネリックも発売されている。
ニュースソース
National Institute for Health and Clinical Excellence : NICE’s backing of the prostate cancer drug abiraterone could help thousands and save the NHS millions
https://www.nice.org.uk/news/articles/nice-s-backing-of-the-prostate-cancer-drug-abiraterone-could-help-thousands-and-save-the-nhs-millions
（ガイドライン）Abiraterone (originator and generics) for treating newly diagnosed high-risk hormone‑sensitive metastatic prostate cancer. Technology appraisal guidance Reference number:TA1110 Published: 19 November 2025
https://www.nice.org.uk/guidance/ta1110