イングランド・オックスフォードで実施された「ヒトチャレンジ試験」によるパラチフスワクチン有効性評価。研究論文がN Engl J Med.誌2025年10月29日に公開された1)。
試験は、2022年6月から2024年1月にかけて、イングランド・オックスフォードで70名の健康なボランティアが、自らを重篤な状態に陥らせる可能性があると知りつつ、パラチフス熱を引き起こすサルモネラ菌が含まれる少量の液体を飲むもの。
論文を解説したScience 誌によると、パラチフスは比較的まれな疾患であるため、実世界での検証には最大25万人を登録する大規模臨床試験が必要となり、莫大な費用がかかるため、世界保健機関WHOは、ヒトチャレンジ試験による同疾患ワクチンの検証を支持しているとする2)。
ニュースソース
- Naina McCann(Oxford Vaccine Group, Department of Paediatrics, Centre for Clinical Vaccinology and Tropical Medicine, Churchill Hospital, Oxford), et al. : Safety, Efficacy, and Immunogenicity of a Salmonella Paratyphi A Vaccine.
Published October 29, 2025, N Engl J Med 2025;393:1704-1714, DOI: 10.1056/NEJMoa2502992, VOL. 393 NO. 17
プロトコールもSupplementとして公開されている。 - Science: Vaccine protects people from paratyphoid fever in a ‘human challenge’ study. (29 Oct 2025, By Martin Enserink) doi: 1126/science.zajkwyo
2025年11月3日