2025年10月22日、National Pharmaceutical Council: NPCは、「ジェネリック医薬品への参入と米国の医薬品支出への早期影響Generic Entry and the Early Impact on U.S. Pharmaceutical Spending」と題するレポートを公開した。この文書は、2022年に新たに登場したジェネリック医薬品が米国の医薬品支出に与える影響を分析したもの。
以下、レポートの要旨(Executive Summary)。
ジェネリック医薬品による競争は、患者と米国医療システムに大幅な節約をもたらす。医薬品のライフサイクルにおけるこの段階は、新薬価格政策の議論でしばしば見落とされがちだ。新薬は市場独占期間を認められるが、独占権喪失後はジェネリック競争が医薬品支出の削減を促す。我々はジェネリック参入後2~3年間の年間医薬品支出パターンを推定し、財務的影響を定量化した。分析結果は以下の通りである。
- 2022年に新規ジェネリック競争が生じた製品について、ブランド品とジェネリック品の利用比率が標準的な市場動向に沿うと仮定した場合、製品当たりの年間推定節約額は平均4億2400万ドルであった(約646億円)。
- 完全なジェネリック置換を仮定した場合、製品当たりの年間推定節約額は平均5億3000万ドルであった(約784億円)。
- ジェネリック競争が生じた医薬品を毎年コホート別に分析することで、ジェネリックによる節約効果への寄与度が明らかになり、市場全体の集計評価を超えた知見が得られた。
National Pharmaceutical Councilは、革新的な医薬品への患者のアクセスの価値と科学の進歩の重要性に関する政策関連の研究を行う組織としているが、製薬企業寄り組織。
ニュースソース
National Pharmaceutical Council: Generic Entry and the Early Impact on U.S. Pharmaceutical Spending.
https://www.npcnow.org/sites/default/files/2025-10/Generic%20Entry%20Early%20Impact%20on%20US%20Pharmaceutical%20Spending%20NPC%20Policy%20%26%20Evidence%20Brief%20Final.pdf