【論文】ランダム化試験の非登録、中止、非公表

JAMA Network Open、2025年9月3日掲載論文。英国、スイス、ドイツ、カナダの研究倫理委員会により2016年に承認された347件のランダム化試験(randomized clinical trials :RCT)を対象に、未登録、早期中止、未発表の割合を検討した。

347件のRCTのうち、20件(5.8%)が未登録であり、108件(31.1%)が中止され、その多くは被験者募集がうまくいかなかったため(49件[45.4%])であり、276件(79.5%)が結果を公開していた。また、産業界がスポンサーとなった試験の結果は、非産業界がスポンサーとなった試験よりも多く公開されていた(181件中166件[92.3%]対166件中110件[66.3%])。

研究結果から、登録の不徹底、募集不振による早期中止、RCT結果の公表の不徹底が、特に非産業界主催の試験において依然として大きな課題であると結論付けている。

(坂巻コメント:論文の非登録等の割合は日本では不明であるが、「医師主導型臨床試験」の多くは企業がサポートしており、日本の医師が、臨床試験のデザインから、実施、論文発表までできる能力がどの程度あるかも問題。)

 

ニュースソース

Benjamin Speich(Division of Clinical Epidemiology, Department of Clinical Research, University Hospital Basel, University of Basel, Basel, Switzerland), et al. : Nonregistration, Discontinuation, and Nonpublication of Randomized Trials – A Systematic Review.
AMA Netw Open, Published Online: September 3, 2025, 2025;8;(9):e2524440.
doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.24440 (オープンアクセス)

2025年10月6日
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