Pharmaceut Med.誌、2025年9月19日オンライン掲載となったPMDA担当者執筆の論文。以下は、PubMed抄録の要旨。
日本では2023年12月までに18のモノクローナル抗体(mAb)バイオシミラーが承認されている。日本のバイオシミラーガイドラインでは、有効性比較試験は必ずしも義務付けられていないが(太字は坂巻による)、承認された18品目のバイオシミラーmAbすべてについて、有効性比較試験が実施されている。論文では、2014年から2023年までの公開されている審査報告書を用いて各バイオシミラーmAbとその参照製品(reference products:RP)の品質特性(QA)を特定した。その結果、QA差の64%が他のQAからのデータを用いて正当化された。逆に、有効性比較試験の結果によって正当化されたQAの差はわずか6%であった。
これらの知見は、バイオシミラーとそのRPとの比較可能性を確立する上で、有効性比較試験の役割は限定的であることを示している。したがって、スポンサーは、品質比較試験における違いが、臨床的に意味があるかどうかを判断するために、比較有効性試験を自動的に実施するのではなく、比較有効性試験が必要かどうかを検討することができる。
ニュースソース
Kanoko Goto(Office of Cellular and Tissue-Based Products, Pharmaceuticals and Medical Devices Agency), et al.: Survey on the Role of Comparative Efficacy Studies Required for Biosimilar Monoclonal Antibody Approval in Japan to Justify the Quality Attribute Differences Between Biosimilars and Their Reference Products Based on the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA) Assessments.
Pharmaceut Med. 2025 Sep 19. doi: 10.1007/s40290-025-00583-w. Online ahead of print.
PMID: 40971119 DOI: 10.1007/s40290-025-00583-w