韓国保健福祉部、2025年9月10日プレスリリース。
政府は、大胆な規制改革と産業成長支援を背景に、2030年までにバイオ医薬品の輸出を倍増させ、3つのブロックバスター新薬を開発することを目指しているとする。
また、バイオシミラーの承認審査期間が406日から295日に短縮され、市場参入を加速するために健康保険のリストアップが330日から150日に迅速化される。
この発表は、9月5日、韓国仁川の松島コンベンシアで開催されたバイオ製薬企業との省庁間円卓会議を受けたもの。会議には、医薬品安全部、保健福祉部、経済財政部、科学情報通信部、通商産業エネルギー部、中小企業・スタートアップ部、また、バイオ医薬品産業、団体、組織のリーダー、約130人が参加したとされ、「Kバイオ医薬品産業飛躍戦略 Leapfrog Strategy for the K-Bio Pharmaceutical Industry」が発表された。以下は、発表記事の要約。
(坂巻コメント:日本の医薬品産業は何を目標にしていくのだろう。“J-バイオ”はオワコン。少なくとも、日本の厚労省の産業ビジョンに比べて、目標が具体的。)
- 世界市場と韓国の現状
- 世界の医薬品市場は2023年に1兆7,487億ドルに達し、2028年まで年4.7%成長が予測される。
- バイオ医薬品市場は2023年に5,649億ドルで、2028年まで年11.9%の高成長。
- 韓国はCDMO(医薬品受託開発製造)とバイオシミラー分野で強みを持ち、2024年には輸出58億ドルで世界トップ10入り。
- 政府ビジョンと目標(2030年まで)
- ビジョン:「K-Bio Pharmaceuticals: 世界トップ5強国へ」
- 2030年までに以下を達成する:
- バイオ医薬品輸出を倍増
- ブロックバスター新薬を3つ創出
- 臨床試験数で世界3位にランクイン
- 政策① 規制改革
- 利用者中心の規制改革を推進。
- 新技術医薬品の迅速な承認支援、バイオシミラーの第3相要件緩和。
- AIを審査に導入し、審査官を増員 → 承認期間を約4か月短縮。
- 2027年までに「承認・保険償還評価・価格交渉」を同時進行する制度を導入。
- 政策② 技術・人材・資本の連携
- AI創薬、AI/ロボットによる自動化ラボ、遺伝子・細胞治療の支援。
- 100万人分のバイオ医療ビッグデータを整備し、統合・共有プラットフォームを構築。
- 実務即応型の専門人材11万人を養成。
- 政府ファンドを拡大し、新薬開発全工程への投資を強化。
- 政策③ グローバル競争力の強化
- アンカー企業とバイオベンチャーの共成長を推進。
- インフラ、金融、税制、人材の総合支援でCDMOと製造分野での優位性を確保。
- 材料・部品・装置の国産化率を引き上げ。
- バイオベンチャーのスケールアップ支援 → オープンイノベーションで製品化。
ニュースソース
Korea.net(韓国政府の広報ホームページ): K-Bio Pharmaceutical Industry to Accelerate Innovation to Become a Global Top Five Power.
https://www.korea.net/Government/Briefing-Room/Press-Releases/view?articleId=1487395&type=N&insttCode=A260111 (英語サイト)
2025年9月17日