英国NICEは、2型糖尿病治療における過去10年で最大の改革を発表

英国の国立医療技術評価機構 (National Institute for Health and Care Excellence:NICE)は、2025年8月20日、2型糖尿病治療における過去10年で最大の改革とするガイドライン案を発表した。

NICEのホームページによると、ガイドライン案では、”画一的one-size-fits-all “なアプローチから脱却し、すべての人に自動的にひとつの薬を投与するのではなく、心不全や心臓発作、その他の深刻な医学的問題を予防することを目的とした個別化された治療計画へとシフトしている。

NICEの独立したガイドライン委員会は、SGLT-2阻害剤(canagliflozin, dapagliflozin, empagliflozin, ertugliflozin)と呼ばれる新しい糖尿病治療薬へのアクセスを、第二選択治療から第一選択治療へと拡大した。また、GLP-1受容体作動薬(liraglutide, semaglutide)と呼ばれる別のタイプの薬が、治療の後期にとどめるのではなく、恩恵を受ける患者群もいる。

メトホルミン(伝統的な最初の糖尿病治療薬)に耐えられない患者には、SGLT-2阻害薬単独での治療を開始することを新しいガイドラインは推奨している。なぜなら、これらの薬は単に血糖をコントロールするだけでなく、心臓や腎臓を保護することを示すエビデンスが増えているからである。また、メトホルミンと併用する第一選択薬としてSGLT-2阻害薬が推奨されるようになれば、22,000人近くの命が救われる可能性がある。

2型糖尿病患者は、次回の年1回の診察時に、GPまたは糖尿病チームと、どのような治療法が自分に適しているかを話し合う必要がある。

このガイドライン案は、NHSの10年健康計画に沿ったもので、糖尿病の将来の合併症を予防することを目的としたアプローチを通じて、治療から予防へのシフトの必要性を強調している。また、継続的なグルコースモニタリングや地域ベースのケア提供によるデジタルケアの展開も支持している。

 

ニュースソース

2025年8月21日
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