単回使用と再使用可能なビデオ喉頭鏡の環境への影響を評価・比較した研究論文。以下は、PubMedの抄録の翻訳。
第3次医療機関において、ビデオ喉頭鏡のライフサイクル評価を実施した:単回使用のAmbu aScope 4 RhinoLaryngo Slim(Ambu Inc.、Columbia、MD)、単回使用のVideo Rhino-Laryngoscope(Karl Storz、Tuttlingen、Germany)、および再使用可能なStorz Video Rhinolaryngoscope 1101HD。当施設では、ライフサイクル、手作業による再処理、廃棄物処理に関するデータを収集した。各機器の生涯カーボンフットプリントを算出し、製造、輸送、滅菌、修理、廃棄に関連する排出量を含めた。次に、手技ごとの各機器のカーボンフットプリントを評価した。
その結果、使い捨て喉頭鏡の1処置あたりのカーボンフットプリントは、アンブ社とストルツ社でそれぞれ7.46kg CO2と5.49kg CO2と推定された。単回使用喉頭鏡の固形廃棄物および包装の質量は、AmbuおよびStorz喉頭鏡でそれぞれ0.173および0.40 kg CO2の炭素排出に寄与している。再使用可能な喉頭鏡のカーボンフットプリントは、当施設では1手技あたり0.1137kg-CO2と推定される。再利用可能な喉頭鏡の手作業による再処理におけるカーボンフットプリントへの最大の貢献は、個人用保護具の固形廃棄物と電気エネルギー(それぞれ0.0859kg CO2と0.016kg CO2)である。使い捨て喉頭鏡のカーボンフットプリントは、従来の再利用可能な喉頭鏡の1.5倍(固形廃棄物のみによる)から66倍と推定されるが、再処理のための水や化学薬品の使用も考慮しなければならない。
以上より、使い捨て喉頭鏡は、利便性、費用対効果、使いやすさなどの利点がある一方で、再利用可能な喉頭鏡に比べて環境への影響が著しく大きい。耳鼻咽喉科医は、カーボンフットプリント削減の向上を目標に、使い捨て喉頭鏡の環境への影響を考慮すべきである。
ニュースソース
Luke J Pasick(Department of Otolaryngology-Head & Neck Surgery, University of Miami-Miller School of Medicine, Miami, FL), et al. : Environmental Impact of Flexible Single-Use and Reusable Video Laryngoscopes.
Comparative Study Ann Otol Rhinol Laryngol. 2025 Sep;134(9):633-638. DOI: 10.1177/00034894251341111. Epub 2025 May 22.