PMDAによる論文。以下は、論文の著者抄録。全文はフリーアクセスではないため、日本でバイオシミラーロス/ラグが生じているのかについて、どのように考察しているかは不明。
最初のバイオシミラーは、EUでは2006年4月、日本では2009年6月、米国では2015年3月に承認された。しかし、3機関によるバイオシミラー承認の詳細な比較と傾向分析は報告されていない。このような影響を考慮し、今後バイオシミラー・ラグやロスを可能な限り回避するためには、現在のバイオシミラー承認状況、バイオシミラーのドラッグラグ、ドラッグロス(バイオシミラーボイド)を把握することが重要である。
日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)のホームページから、バイオシミラー医薬品の承認情報を参照製品、非専有名称、ブランド名、バイオロジックの種類、承認日について調査した。さらに、3機関間のバイオシミラー承認時期の差(バイオシミラーラグ)を算出し、バイオシミラー開発対象外の参照製品(バイオシミラーロス)を考慮するため、ClinicalTrials.govに基づく公開データを調査した。
厚生労働省/PMDA、米国FDA、EMAは、それぞれ2025年3月までに38品目、69品目、125品目のバイオシミラーを承認している。バイオシミラー・ラグは、日本、米国、EUの間で増加し、最近では米国、EUと比較して日本で拡大している。また、今回の調査では、バイオシミラーロスの候補は29品目、オーファンドラッグの原薬は16品目であった。バイオシミラー開発は日本、米国、EUで拡大している。
今回の調査結果は、日本におけるバイオシミラー開発の遅れが明らかに拡大していることを明らかにするとともに、いくつかのバイオシミラー候補品についてバイオシミラーロスが生じていることを説明するものである。
ニュースソース
Aya Hariu(Office of Cellular and Tissue-Based Products, Pharmaceuticals and Medical Devices Agency), Yuka Saino2, Ryosuke Kuribayashi: Consideration of the biosimilar drug lag and loss among Japan, the USA, and the EU.
Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 2025 Aug 13. doi: 10.1007/s00210-025-04494-0. Online ahead of print.
DOI: 10.1007/s00210-025-04494-0