【論文】静脈内インフリキシマブ液剤のメリットとコスト削減

静脈内投与インフリキシマブ(IV-IFX)の先行品(レミケード)は粉末製剤で、投与時に生理食塩水で薄めて、フィルター付きの点滴用ラインで点滴静注される。セルトリオンが発売している静脈内投与350mgバイアルの液剤では、調剤は不要となる。論文は、欧州の視点で、液剤の粉末剤に対する運用上の利点とコスト削減効果を評価している。以下は、著者抄録。

研究デザインと方法:2025年5月から6月にかけて、IV IFXの調製に携わった病院薬剤師と看護師21名を対象に半構造化インタビューを実施した。

結果:インタビュー対象者は、再構成をなくすことで粉末製剤に比べて準備時間が 51% 削減され、患者 1 人あたりのリソース コストが 20% 削減され、医療従事者の作業負荷が大幅に軽減されたと指摘した。

結論:IV IFXの液状製剤は、粉末製剤と比較して調製を簡素化し、運用効率を高め、コストを削減する。これらの節約により、患者ケアへのリソースの再配分が可能になり、IV IFX療法の費用対効果が向上する。液状製剤の導入により、欧州の医療システム全体で医療提供の最適化が期待される。

 

ニュースソース

Kyoungwan Nam(Market Access, Celltrion, Inc, Incheon), et al. : Perceived benefits and cost savings of liquid formulation of intravenous infliximab: perspectives of seven European countries.
Expert Opin Biol Ther. 2025 Aug 8:1-8. doi: 10.1080/14712598.2025.2544756. Online ahead of print. PMID: 40770893  DOI: 10.1080/14712598.2025.2544756(オープンアクセス)

 

2025年8月12日
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